【ドラマニア】「いつ恋」「わたしを離さないで」運命に逆らえない女たちの歪んだ愛

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「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」(C)フジテレビ
  • 「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」(C)フジテレビ
  • 有村架純&高良健吾/「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」-(C)フジテレビ
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  • 綾瀬はるか&柄本佑/「わたしを離さないで」(C)TBS
  • 三浦春馬&綾瀬はるか&水川あさみ
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  • 西島隆弘/「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」-(C)フジテレビ
早いもので、気がつけば2016年1月クールも後半戦に突入です。皆さんの視聴フィルターには、どんな作品が残っていますか? 今回の【ドラマニア】では、中でも特に女性からの注目度が高い3作品をピックアップ。まさに“運命の悪戯”としか言いようがない、切な過ぎる愛の行方を考察していきましょう。

■心に抱えた、それぞれの事情
女たちが「自分自身と向き合う」時――何かが変わる
まずは、とっても月9らしい! 若き男女たちの群像劇「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」(フジテレビ)から、現代を象徴する3人の女性をご紹介。今という生きづらい時代に真っ向勝負を挑む果敢な後ろ姿は、決して涙無しには見られません。

本作に登場する女性たちは、いずれも心に大きなコンプレックスを抱えてながら生きています。だからこそ、「好き」という気持ちだけで行動を起こすことができない。中でも特に、有村架純さん演じる主人公・音は、その典型的なタイプ。常に周りの人の気持ちを優先してしまうため、空気を読み過ぎて自分の幸せに貪欲になれない。その優しさが、見ていて非常にもどかしいですよね!

また同様に高畑充希さん演じる木穂子も、見ていて一緒に苦しくなってしまうくらいリアルな女性。傷つくことを極端に恐れ、自分を嘘という鎧でコーティングする癖を持っています。リスクを軽減しているように見えて、本音とのジレンマに葛藤する姿に共感する方も多いのではないでしょうか。森川葵さん演じる小夏も、田舎から東京へ出て、夢を叶えることの難しさに直面。自信を失った彼女は、恋愛にも怖気づいてしまいます。友人の助言を経て見た目を磨くことに全力を注ぐ小夏…しかしながら、磨けば磨くほど、心が荒んでいくのはいったいなぜなのか。

過去が邪魔をして、トラウマが邪魔をして、プライドが邪魔をして――抱えている事情は違えど、共通して言えるのは、心にそれぞれ「素直になれない」壁があるという点です。これが世の女性たちの共感を呼ぶ一番のポイントと言えるでしょう。3人が自分自身と本当の意味で向き合うことができた時、物語は大きく動き始めるはず! いよいよスタートする第2章はぜひ、その辺りにも着目してみてください。

■女にしかわからない「絶対の関係」
親友を思う“愛”に導かれた――究極の選択
「もしも自分の親友が同じ悩みを抱えていたら?」そう妄想せずにはいられない、木10ドラマ「ナオミとカナコ」(フジテレビ)。本作で描かれる選択は到底現実的なものとは言えませんが…それでも思わず「わかる!」と共感してしまうのは、主人公2人の友情が女性独特の奇妙な契約感を醸し出しているからでしょう。

大学時代同じキャンプサークルで仲良くなったという、広末涼子さん演じる直美と、内田有紀さん演じる加奈子。劇中では最初、久しぶりに再会した2人はどうにも拭えない“ライバル心”をむき出しにしていました。仕事も恋も順調なフリをする直美。一方の加奈子も、家庭円満、まさに今幸せの絶頂にいるという笑顔を作り振りまいていた記憶があります。そんな嘘まみれの関係、世の男性からすれば「親友とは呼べないだろう」という意見がちらほら。しかしながら女同士の友情とは不思議なもので、「お互いが嘘をついていた」とわかった瞬間――初めて本当の“親友”になるのかもしれません。2人は今まで以上により強固な絆で結ばれ、加奈子が「水を美味しい」と感じられる日が来るように…夫のDVを止めるため、ついには殺害を計画するに至ります。

自身もかつて父親から暴力を受けていたという過去から、加奈子の心の傷に寄り添うことを人生の目的として定めた直美はとにかく強い! 家族や恋人とは一味違う、友情という“愛”が彼女の背中を押しているのか。加奈子もその気持ちに答えるように、少しずつ一人の女として、人間として強くなっていきます。果たして、憎しみの連鎖が行き着く先は…!? ジェットコースターのようなめくるめく展開から、最後まで目が離せません。

■決して逆らうことのできない“運命”
限られた命ゆえ――女たちの「独占欲」が溢れ出す
ラストはこちら! 週の終わりに、どっぷりと神妙な世界に浸らせてくれる「わたしを離さないで」(TBS)。原作は、カズオ・イシグロさんの同名イギリス小説。これまでに日本をはじめ、世界各国で映画化や舞台化が成されている話題作です。

本作で描かれる“女の戦い”と言えばもちろん、綾瀬はるかさん演じる恭子と、水川あさみさん演じる美和による激しい心理戦。最初は極々普通の「クラスに一人はいそうなリーダー格の女の子」だった美和が、自身が他者のために作られた臓器提供用の人間であるという衝撃的事実を知ることで、親友・恭子への独占欲を日に日に強めていく様が実に狂気的で…背筋の凍る展開がひとつの大きな見どころとなっています。

決して逆らうことのできない“運命”に翻弄されていく子どもたち。美和が執拗に、恭子の初恋の相手・三浦春馬さん演じる友彦にちょっかいを出し始めるのも、全ては強い独占欲ゆえ。純粋な恋愛感情ではなく、恭子に「自分のことを少しでも気にして欲しいから」こそ、事あるごとにひどい悪戯を仕掛けていきます。第三者として視聴している分には、赤子のような可愛さがありますが…恭子本人はやるせない気持ちでいっぱいでしょう。しかし、段々と彼女自身もその執着に「自分の存在を実感する」ようになっていき――まさにズブズブの三角関係が出来上がってしまいます。

そんな中、否応なしに迫ってくる臓器提供の順番。限られた命の中で、人がどのような感情に時間を割いて生きていくのか。彼女たちの“愛”の使い方をしっかり見届けていきましょう。

およそ1年ぶりに復活させていただきましたコラム【ドラマニア】、いかがでしたでしょうか。嬉しいことに、このところドラマへの関心が再び強まってきている気が致します。ぜひ、次回の更新もご覧くださいませ。
《text:Yuki Watanabe》

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