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イラン名匠のオスカー受賞作『セールスマン』メイキング画像一挙公開

本年度第89回アカデミー賞にて外国語映画賞を獲得したイランの名匠アスガー・ファルハディ監督の『セールスマン』。このほど、本作の日本公開日が6月10日(土)に決定し、ファルハディ監督のコメントとともに貴重なメイキング画像が解禁となった。

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アスガー・ファルハディ監督&タラネ・アリドゥスティ/『セールスマン』 (C)MEMENTOFILMS PRODUCTION-ASGHAR FARHADI PRODUCTION-ARTE FRANCE CINEMA 2016
アスガー・ファルハディ監督&タラネ・アリドゥスティ/『セールスマン』 (C)MEMENTOFILMS PRODUCTION-ASGHAR FARHADI PRODUCTION-ARTE FRANCE CINEMA 2016
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  • 『セールスマン』 (C)MEMENTOFILMS PRODUCTION-ASGHAR FARHADI PRODUCTION-ARTE FRANCE CINEMA 2016
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本年度第89回アカデミー賞にて外国語映画賞を獲得したイランの名匠アスガー・ファルハディ監督の『セールスマン』。このほど、本作の日本公開日が6月10日(土)に決定し、ファルハディ監督のコメントとともに貴重なメイキング画像が解禁となった。

作家アーサー・ミラーの戯曲「セールスマンの死」の舞台に出演中の夫婦。夫は教師をしながら、小さな劇団で妻とともに俳優をしていた。ある日、引っ越ししたばかりの自宅で、夫の留守中に妻が何者かに襲われ、暴行を受ける。事件を表沙汰にしたくないと、警察への通報を拒否する妻の態度に納得できない夫は、自分自身で決着をつけるべく、ひそかに犯人捜しを続ける。演劇と犯人探し、夫婦の感情のずれがスリリングに絡み合い、やがて事態は思わぬ展開に…。

第69回カンヌ国際映画祭にて脚本賞&主演男優賞をW受賞し、本年度アカデミー賞では外国語映画賞に輝いた本作。しかし、ファルハディ監督と主演女優のタラネ・アリドゥスティは、トランプ政権の入国禁止措置に抗議し、授賞式へのボイコットを表明、連日大きくニュース報道もされた。その渦中にあって国境や信教を超えて作品が高く評価され、見事、外国語映画賞を受賞したファルハディ監督。『別離』('11)でも同賞に輝いており、二度目のオスカー獲得という快挙を成し遂げた。

ファルハディ監督は、本作について「ひとつの映画で、7,000万人のそれぞれの信仰や生活がある多様な社会全体を描くことは、誰もできないことだと認識しています。しかし、ひとつの映画で、ひとつの社会の風景を描くことはできます。それが、たとえ、私の視点であったとしてもです。しかし、映画監督として、自分の才能を限定しない限りは、イランに開かれた窓を提供する機会を与えられていると思っています」と、映画制作に込めた思いを口にする。

また、暴漢に襲われる妻・ラナ役を演じたタラネ・アリドゥスティについて、「この映画の概要を書いているときから、この夫婦役を誰が演じるか考えていました。それが、映画の世界に入っていくのに大変役に立つのです。撮影中、私はとても安心した状態でいられました。なぜなら、みんなが役柄のテイストを理解していたからです」と語る。

タラネから「なぜラナは家族と一緒に住んでいないのか?」と聞かれたという監督は、「私は『彼女の家族は違う町に住んでいる』という考えを伝えました。そうすると、彼女は『わかりました。それではこれから私はこの役柄をいままでとは変えて演じます。だって、彼女は地方出身ですから』と言ったのです」と、彼女との役作りにおけるやりとりを明かしている。

イラン国内では60万人を動員する大ヒットとなり、全米でも1月27日にたった3館で限定公開されたが、その週公開の作品でアベレージ1位となるヒットスタートを記録。緻密な脚本と繊細な演出、スリリングな心理描写で事件の真相を紡いでゆく、サスペンスドラマの傑作として熱い視線を送られている。そして今回、主演女優タラネの来日も決定。日本でもさらに注目を集めそうだ。

『セールスマン』は6月10日(土)よりBunkamura ル・シネマほか全国にて順次公開。
《シネマカフェ編集部》

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