アカデミー賞8部門ノミネートをはじめ、世界中で驚きと称賛をもって迎えられている『メッセージ』。巨大飛行体から人類が受け取った美しくも哀しいメッセージと、娘を亡くした言語学者ルイーズの切なすぎる決断に、早くも世界各国ではリピーターが続出しているという。そんな本作でメガホンをとったのが、主演のエイミー・アダムスも「特別な監督」と賛辞を贈るカナダ出身のドゥニ・ヴィルヌーヴ。このドゥニ・ヴィルヌーヴ監督をはじめ、オスカー史上最年少の監督賞『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル、“前代未聞のハプニング”で注目を集め、オスカーを制した『ムーンライト』のバリー・ジェンキンス、さらにカンヌグランプリ獲得の『たかが世界の終わり』のグザヴィエ・ドランなど、昨今の映画界では若手の気鋭監督たちの台頭が目立つが、いずれも、日本人にはちょっぴり読みづらくて、覚えづらいお名前ばかり…。そんな注目監督のなかでも、“いまハリウッドで最も期待される”存在といえるのが、本作のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督だ。本作『メッセージ』は、優れたSF作品に贈られる文学賞「ネビュラ賞」を受賞した米作家テッド・チャンの短編小説「あなたの人生の物語」を基に誕生した物語で、“絶対に映像化不可能”といわれた原作の映画化をドゥニ監督は実現させた。1967年カナダ・ケベック生まれの49歳である彼は、『ブレードランナー 2049』の監督に抜擢されたことでも知られる。世界の名だたる映画祭や地元カナダでは、キャリア初期からその手腕が高く評価されており、レバノン内戦下の悲劇を描いた『灼熱の魂』ではアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされて一躍その名を世界に知らしめ、本作では自身初のアカデミー賞作品賞・監督賞ノミネートも果たした。そんなドゥニが特に注目される理由は、ヒュー・ジャックマン主演の誘拐ミステリー『プリズナーズ』や、ジェイク・ギレンホールが一人二役を演じた『複製された男』、エミリー・ブラントが麻薬戦争に迫った『ボーダーライン』など、独創的なストーリーと映像センスで作品のジャンルを問わず評価を獲得していること。その手腕を買われ、SF映画の金字塔である『ブレードランナー』の続編、『デューン/砂の惑星』リメイク版にも大抜擢。巨匠リドリー・スコット、デヴィッド・リンチらを受け継ぐ“新たな奇才”として期待されている。日本でも、洋画ファンの間で熱烈なファンを有してはいたものの、いま、その注目度は急上昇中。雑誌「キネマ旬報」の“100人の評論家が選んだ外国映画監督ベスト・テン”では、巨匠クリント・イーストウッドに次ぐ2位に選出されている。そして、その彼を誰よりも評価しているのが、5度のアカデミー賞ノミネート、2度のゴールデン・グローブ賞受賞を誇る、本作の主演女優エイミー・アダムスだ。「私にとって本作の魅力はドゥニだったわ」と絶賛する彼女は、「彼の考えと私の見方が一致していた。そうでない監督もたくさんいるのよ。だから、本作は私が重視している深いハートのある作品になるって確信できた。ドゥニはすごく特別な監督であり、すごく特別な人よ」と語り、ハリウッド最注目監督の存在が彼女の出演のきっかけとなったことを明かしている。『メッセージ』は5月19日(金)より全国にて公開。
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