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【インタビュー】太賀&中村蒼&矢本悠馬 20代俳優台頭の戦国時代も「役者当人たちは意識してない」

高校卒業間近で時間を持て余す3バカトリオが、青春ラストスパートとばかりにあてのない旅に出る。作家・早見和真の原作を実写映画化した…

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矢本悠馬&太賀&中村蒼『ポンチョに夜明けの風はらませて』/photo:You Ishii
矢本悠馬&太賀&中村蒼『ポンチョに夜明けの風はらませて』/photo:You Ishii
  • 矢本悠馬&太賀&中村蒼『ポンチョに夜明けの風はらませて』/photo:You Ishii
  • 矢本悠馬&太賀&中村蒼『ポンチョに夜明けの風はらませて』/photo:You Ishii
  • 『ポンチョに夜明けの風はらませて』 (C)2017「ポンチョに夜明けの風はらませて」製作委員会
  • 太賀『ポンチョに夜明けの風はらませて』/photo:You Ishii
  • 中村蒼『ポンチョに夜明けの風はらませて』/photo:You Ishii
  • 矢本悠馬『ポンチョに夜明けの風はらませて』/photo:You Ishii
  • 矢本悠馬&太賀&中村蒼『ポンチョに夜明けの風はらませて』/photo:You Ishii
  • 矢本悠馬『ポンチョに夜明けの風はらませて』/photo:You Ishii
高校卒業間近で時間を持て余す3バカトリオが、青春ラストスパートとばかりにあてのない旅に出る。作家・早見和真の原作を実写映画化した『ポンチョに夜明けの風はらませて』で、そんな3人の高校生を演じているのが、ともに20代の俳優・太賀、中村蒼、矢本悠馬。それぞれ異口同音にするのは「高校生という設定は関係ない」ということ。しかしその開き直りにも似た解放感が、ハイテンション振り切れ演技の吉となった。

『ポンチョに夜明けの風はらませて』(C)2017「ポンチョに夜明けの風はらませて」製作委員会
「高校生という設定に引っかかる部分もなかったし、疑問も湧かなかった」というのは、ノーフューチャーな行動派・又八役の太賀さん。実は原作者・早見氏とは親交があり、大ファンでもあるのだ。一方、一流大学不合格に落ち込むクールなジン役の中村さんは「3人の中では一番冷静で、羽目を外しそうになる2人の軌道修正担当。頭がいいので騒げるのはこれが最後だろうと理解しながらムチャ期間を楽しんでいる人」と役柄分析。下半身に悩みを抱えるいじられキャラ・ジャンボの矢本さんは「2人が自分と同年代ということもあり、ちゃんと老けているので『俺も同じか、なら大丈夫だ』という変な安心感があった。あえて声色のキーを上げることも、無理してフレッシュ感を醸し出そうとすることもなく、そのおっさん感が出たことで、又八・ジン・ジャンボが学校で孤立しているという説得力が生まれた」という。

太賀『ポンチョに夜明けの風はらませて』/photo:You Ishii
唯一、太賀さんが苦労したのは、野ザルの如く高い又八のテンションだ。「又八を中心に物語が転がっていくので、周りを引っ張って巻き込んでいくパワーのようなものが必要だった」と、キャラクターの方向性を決める撮影初日に力んで演じたところ「思いのほかテンションが高くなってしまって、初日で声がガラガラに。その高さが又八という役柄の基準になってしまった…」と苦笑い。それでも「声がガラガラになるくらいテンションを上げてテイクを何度も重ねたことによって、又八という核が出来上がった」と手応えを感じている。

矢本悠馬『ポンチョに夜明けの風はらませて』/photo:You Ishii
廣原暁監督の演出も一風変わっている。「例えば車を壊すシーンや浜辺での花火シーンは、ここでこうやってという指示はなく、“じゃあ、やってみて”と僕ら3人のグルーヴ感にゆだねる感じ。リアクションもその場で出たものを優先していく演出だった」と中村さんがふり返ると、矢本さんも「撮影中に自分たちの素に戻っている部分が半分以上あった。花火のシーンでは俺と蒼くんのドSぶりが発揮されて、太賀を手持ち花火で追いかけることに夢中になった。役柄のパワーバランスとかまったく関係がなかった」と自白。“被害者”である太賀さんは「僕は花火を持たされることもなく、ただひたすら本気で嫌がって必死に逃げていました。2人が地味に太ももを狙ってくるし」と思い出し笑いだ。

『ポンチョに夜明けの風はらませて』 (C)2017「ポンチョに夜明けの風はらませて」製作委員会
撮影を忘れたかのようなハジケ具合。それはカメラが回っていない時間も同様だ。「ホント、あのまんま。3人で記憶にも残らないようなくだらない話をしたり」(太賀さん)。「本番といわれて頭を切り替えて力んで役に向き合う、ということは実はあまりなかった」(中村さん)。「空き時間は3人でふざけているか、寝ているかのどちらか。そんな3人のダラッと感が役の設定にもいい感じに反映されている」(矢本さん)。計算か無意識か。でもこの関係性が又八・ジン・ジャンボが実在しているかのような現実味になっているのだから凄い。

中村蒼『ポンチョに夜明けの風はらませて』/photo:You Ishii
それぞれ何度か共演経験があるというのも味方したのかもしれないが、役者として考え方が同じという共通点もフィーリング一致の助けになっている。20代の俳優が多い“若手戦国時代”となって久しい昨今だが「20代の俳優として括られ、競争も大変なのではないか? と周りから聞かれることも多いけれど、役者当人たちはそんなに意識してないはず。自分としては、同世代とはいつでも仕事ができるので、先輩方と多く仕事がしたいという思いがある。先人たちの仕事場にいかに自分が間に合うかということを考えている」と太賀さん。

矢本悠馬&太賀&中村蒼『ポンチョに夜明けの風はらませて』/photo:You Ishii
それに頷く中村さんも「同年代の俳優を見て、もちろん“この人、いい役やっているなぁ”と思うこともあるけれど、その役はもうその人のものだし、それが最強だと捉える。であれば今自分がいただいた仕事を120%の力を出してやり切って、最強にすればいい。マイナスに考えることはないですね。すべての仕事は縁ですから、目の前にある縁に対して必死にやるだけ」。年長者の矢本さんは意見を総括するかのように「お金を稼いでいる人には、年上・年下・同年代・仕事に関わらず嫉妬する!」と誰もが思う本音をぶっちゃけながらも「そもそも誰それが同年代というような意識はしないし、20代の俳優が多いと言われて、そうなんだぁと思う程度。人のことをいちいち気にしていたら負のスパイラルに陥るだけ。事務所やマネージャーは必死になっているのかもしれませんが、僕らは全然!」と笑い飛ばした。縛られず、自由に、飛ぶ。スクリーンの中でも現実でも、彼らは若々しい。

矢本悠馬&太賀&中村蒼『ポンチョに夜明けの風はらませて』/photo:You Ishii
《text:Hayato Ishii/photo:You Ishii》

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