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【シネマ羅針盤】映画『オトトキ』が捉えた「THE YELLOW MONKEY」の姿とは?松永大司監督を直撃!

昨年、申(さる)年に再結集し、全国で36万人動員の大型ツアー敢行、さらに15年ぶりの新曲リリース、紅白初出場など、まさに歴史に残る復活を遂げたロックバンド「THE YELLOW MONKEY」。その怒涛の1年に迫るドキュメンタリー映画『オトトキ』が現在公開中だ。

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『オトトキ』(C)2017映画「オトトキ」製作委員会
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昨年、申(さる)年に再結集し、全国で36万人動員の大型ツアー敢行、さらに15年ぶりの新曲リリース、紅白初出場など、まさに歴史に残る復活を遂げたロックバンド「THE YELLOW MONKEY」。その怒涛の1年に迫るドキュメンタリー映画『オトトキ』が現在公開中だ。

メガホンをとるのは、現代アート、格闘技、ゴスペルなど幅広い分野のドキュメンタリー映画を手がけ、国内外で注目を浴びる松永大司監督。2015年には「RADWIMPS」の野田洋次郎を主演に迎えた『トイレのピエタ』で長編劇映画デビューを飾り、さらに評価を高めた。バンドに対して「思い入れはなかった。だからこそ(監督を)やってみたいと強く思ったんです」と語る松永監督の視点が捉えた“イエモン”こと「THE YELLOW MONKEY」、そしてメンバーである吉井和哉、菊地英昭、廣瀬洋一、菊地英二の姿とは?

『オトトキ』(C)2017映画「オトトキ」製作委員会2016年に再結集した「THE YELLOW MONKEY」
「自分で自分を超えることが一番難しいもの。ましてやTHE YELLOW MONKEYは確実に一時代を築き上げた存在ですから、ハードルが高いんじゃないかと…。でも、“伝説”のままじゃなく、未来に進んでいく姿がぜひ撮らせてもらいたいとオファーを受けました。お話をいただいたのは、ツアー初日(5月11日開催の国立代々木第一体育館公園)の1週間前というギリギリのタイミングでしたが」。

バンド側から撮影に関して、細かなルールの提示はなかった。「こちらもあえて、準備はしなかったですね。『はじめまして』の挨拶に始まり、その後は1対1の人間として付き合っていこうと。その上で、目の前で起こる現象や、心が動いた出来事を、素直に誠実に撮っていれば、何かが見えてくると思っていました。もちろん、最低限の礼儀は大切ですが、人としてちゃんとしていれば、僕がメンバーに遠慮する必要はまったくなかったですね。あくまで『撮らせてもらっている』というスタンスですし、そのへんは僕、図太いので(笑)」。

『オトトキ』松永大司監督『オトトキ』を手掛ける松永大司
「すぐに謙虚で魅力的なメンバーの人柄に惹かれた」とふり返るが、一方で“被写体”であるバンドとの距離感には悩むことも。「一緒にいる時間が長くなる分、客観的であり続けることを意識しました。グッと“輪”に入り込まないと撮れないものもあるんですが、仲が深まり過ぎて、『分かる人にしか分からない』映画にはしたくなかった。カメラを回しながら『いま、この瞬間もニュートラルな感覚でいるのか?』と自問自答しましたね。毎日毎日、新しい日が始まる…。その中に実は宝物のような瞬間があるので、撮影が進むほど『当たり前の景色を、当たり前に捉える』大変さを感じる日々でした」。

昨年5月に始まった密着は、今年3月、映画のためにバンドのルーツともいえるライブハウス渋谷La.mamaで行った無観客ライヴまで続いた。「素材は700~800時間になるはず」だといい、メンバー間を結ぶ“家族の絆”というテーマを軸に、丹念な編集作業がなされた。「事実を丁寧に積み重ねてきたつもり。だから、いい意味で、メンバーに対する印象は変わっていないですね。エマさん(菊地英昭)は『いまは音楽を始めた頃みたいに楽しんでいる』って言っていますが、僕の目にも、純粋な音楽少年の集まりに見えます」。

『オトトキ』(C)2017映画「オトトキ」製作委員会「THE YELLOW MONKEY」のボーカル・吉井和哉
「THE YELLOW MONKEYというバンドを知らない人にも観てもらいたいという思いを込めて。劇場の大きなスクリーンと音で、彼らの生きている時間を体感してもらいたい」という理由で『オトトキ』と名付けられた本作は、第22回釜山国際映画祭でのワールド・プレミア、第30回東京国際映画祭での特別上映を経て、ついに映画館に鳴り響くことになった。

「舞台裏を通して、ライヴの見方が変わるような映画になっていれば。賛否あると思いますが、作って終わりじゃなくて、ご覧になる皆さんにどう届くのか楽しみに待てる作品になっている。それが自分にとって喜びです。何より、表現者として、僕のずっと先を走るメンバーの背中を追うのではなく、真正面を捉えることができたことが、刺激であり財産になりました。THE YELLOW MONKEYが虎視眈々と次の一手を打つように、僕も映画監督として、もっともっと頑張ろうと」。

その言葉通り、松永監督は次なるステップとして、国際交流基金アジアセンターと東京国際映画祭によるオムニバス映画製作シリーズ「アジア三面鏡」の第2弾に、日本代表として参加。来年開催予定の第31回東京国際映画祭でのワールド・プレミア上映に向けて、インドネシア、中国の若手注目監督とタッグを組む。そして「THE YELLOW MONKEY」は12月9日、10日に東京ドーム、バンドの誕生日である12月28日には福岡 ヤフオク!ドームのステージに立つ。男たち“5人”は今日も、終わりのない青春を追い求める。

『オトトキ』TIFFレッドカーペット(C)2017映画「オトトキ」製作委員会東京国際映画祭に登場した「THE YELLOW MONKEY」
(C)2017映画「オトトキ」製作委員会
《text:Ryo Uchida》

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