「スノーマン」「風が吹くとき」などで知られる、イギリスの国民的絵本作家レイモンド・ブリッグズが、自身の両親の人生を愛情込めて描いた原作を映画化した『エセルとアーネスト ふたりの物語』。この度、エセルとアーネストの夫婦に寄り添ってきた黒猫“スージー”の登場シーンを集めた特別映像がシネマカフェに到着した。>>『エセルとアーネスト ふたりの物語』あらすじ&キャストはこちらから1928年、ロンドン。牛乳配達のアーネストとメイドのエセルが恋に落ち、結婚。深い影を落とした戦争を乗り越え、戦後の新しい時代を生き、ふたりが世を去る1971年までを描いた本作。このエセルとアーネストのふたりの人生にそっと寄り添うように存在するのが、黒猫の“スージー”。彼らが結婚し、新居に引っ越した日に現れた黒猫は、ブリッグズ家の戦中戦後の暮らしを共にする。戦後、スージーが横切る庭先で、新聞を読みながら「同性愛を合法化するらしい」と話すアーネストに「それ何?」と聞き返すエセル。時代の変化は、ふたりの日常の会話のなかにも表れている。やがて、エセル亡き後は、アーネストの話し相手となるスージー。原作者のレイモンド・ブリッグズは、黒猫をエイジレスな(=年齢のない)ものとして登場させており、エセルとアーネストが年老いていき、彼自身である息子レイモンドも成長していくなかで、およそ40年間にわたり、唯一の変わらない存在として物語に寄り添っていく。実際のブリッグズ家も何代か飼っていたという黒猫。劇中で描かれる40年寄り添ったスージーは、“不思議な力を持ったもの”としてファンタジックに描かれている。エセルとアーネストの息子、原作者レイモンド・ブリッグズ『エセルとアーネスト ふたりの物語』は9月28日(土)より岩波ホールほか全国にて順次公開。