2019年サンダンス映画祭を皮切りに世界の映画祭で絶賛の嵐を巻き起こした『ハニーボーイ』。本作でノア・ジュプ演じる“人気子役”の主人公オーティスの10年後を演じたルーカス・ヘッジズが、作品出演に至った経緯と役作りの過程についてのエピソードを語った。>>『ハニーボーイ』あらすじ&キャストはこちらから子役から一躍ハリウッドスターの仲間入りをしたのち、アルコール依存に陥り、更生施設に入ることに。そこで苦悩の元凶が父親であることに気づき、もがきながらも向き合おうとする青年期のオーティスを演じているルーカス。名作『ギルバート・グレイプ』の原作者・脚本家で、『アバウト・ア・ボーイ』でアカデミー賞脚色賞にノミネートされたピーター・ヘッジズを父に持つ彼は、ウェス・アンダーソン監督『ムーンライズ・キングダム』(2012)で本格的に映画デビュー。『マンチェスター・バイ・ザ・シー』(2017)でアカデミー賞助演男優賞に初ノミネートされ、その後も『スリー・ビルボード』『レディ・バード』『ある少年の告白』など、作家性の高い話題作に出演し続け、いまや監督やクリエイターからラブコールが止まない若手実力派NO.1の人気俳優。現在公開中の「A24」製作、トレイ・エドワード・シュルツ監督『WAVES/ウェイブス』では心に傷を抱えた少女に優しく寄りそう恋人役を好演、同じく「A24」製作、9月4日(金)公開のジョナ・ヒル監督『mid90s ミッドナインティーズ』では主人公の兄イアンを演じており、話題作への出演も続々控えている。ルーカスは本作『ハニーボーイ』の出演の経緯について、シャイア・ラブーフが出演するということですぐに関心を持ったという。「彼は非常に重要な俳優で、僕は彼の影響を大いに受けているんです」と回想、ラブーフの外面と内面を捉えるために、本人と接しながら、また彼の出演映画を見ながら観察して研究し、それで得たものから不要だと思えることは全て排除したと語る。「役柄を豊かにすると思えるものをどれくらい取り込むかとか、どこで自分の本能に従うかといったことを、慎重に考えなければなりませんでした。僕が演じるオーティスは、自分の父親が普通の父親らしくなってくれることを望む反面、そんな父親にさえ認められたい、愛を受けたいと思っているんです」と思慮をめぐらす。また、監督のアルマ・ハレルについては「アルマに初めて会ったとき、神秘的なつながりを感じました。そのとき彼女と、仕事を通して自分自身をよく知ることについて話したんです。僕は、絶対にこの映画に出演したいと思いました」と回想する。「アルマ・ハレルは、ドキュメンタリー映画の制作を通して、どんな風に撮影すればありのままを捉えることができるかという感覚を研ぎ澄ましてきました。彼女は、良い演技を作り出すことよりも、心理状態や、その瞬間瞬間に興味があるんです。彼女の作品は全て、現実と超現実の間、現実と空想の間の境界線が曖昧になっているようです。その両方の世界の最高の部分を引き出せるんです」と監督の演出方法について絶賛を贈っている。ハレル監督もルーカスの演技だけでなく、作品選びや作品考察について関心しきりだったといい「脚本家か監督かは分からないけどいつか、必ず作り手側になると思います」と今後の転身を予感させるコメントを寄せる。新場面写真では、泥酔して車を運転し事故を起こしたオーティスが更生施設に入り、プールサイドでほかの入居者に混ざらず、やる気のない態度を見せている様子や、自分自身と対峙し苦悩するシーンなど2点、併せて監督と相談中のメイキング写真も到着。更生施設ではPTSDの兆候があると診断され、「まさか」と驚くオーティス。原因を突き止めるために、いままでの思い出をノートに書くようにと言われたオーティスは、過去の記憶を辿り始める…。オーティスは過去と対峙し自分を取り戻せるのかが、見どころの1つとなりそうだ。『ハニーボーイ』は8月7日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。
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