観る人に改めて人生観を問う、群像劇からなるオリジナルドラマ「あなたに聴かせたい歌があるんだ」が、Huluにて全話独占配信中。主演の成田凌をはじめ、伊藤沙莉、藤原季節、上杉柊平、前田敦子、田中麗奈らが出演する本作より、この度、監督・萩原健太郎がこだわり抜いた美しい映像の世界を写した場面写真が公開された。
気だるい朝、なんてことない昼下がり、自分だけが取り残されているような気になってしまうくらい眩しい夜――本作は、そんな見慣れた風景が見たことのない新しい景色にも見える映像が印象的。
本作を手掛けたのは、CMやMVのほか、『東京喰種 トーキョーグール』『サヨナラまでの30分』の監督も務めた萩原健太郎。「自分の人生の主人公から降りた人たちの話でもあるので、彼ら自身も一見日の目が当たらない影のような場所に存在していたいと考えました」と語る萩原監督は、人物だけでなく、彼らの部屋、街、空に至るまで「とにかく着飾らせることなく、ありのままを美しく撮る。光ではなく影を美しく撮る」とこだわりを明かしている。
はじまりの第1話、成田さん演じる荻野が訪れるスナックは、壁の電飾やカウンターに並ぶ小物など、ノスタルジックで非現実的な甘い雰囲気の漂うセットが組まれ、「荻野の状況をロマンチックに映像として表現したいと思い、『消滅する星』をモチーフに、寒色で統一した色味、星をイメージしたイルミネーション、星が消滅したガス化を表したフォグでイメージを構築しました」とここで人生最大の決意を固める彼の心情に寄り添ったセット作りが行われている。
また第3話、小説家志望の片桐（藤原さん）の部屋については、「彼女・あやのイメージカラーを黄色にして、彼女が来てからの部屋といなくなった後の部屋で、片桐の喪失感を表現しました」と明かす。片桐の机に並ぶ書籍の著者・並木翔平（ジャルジャル後藤）が登場する第5話にも注目。
そして第6話、天井まで壁一面、ポスターが張り巡らされたのは、島田まさみ（前田さん）の部屋。「彼女がモノマネ対象である『八木今日子』に依存した人生を過ごしているように見せるために、『八木今日子』のポスターで壁と天井を埋め尽くしました。本物に囲まれた空間にポツリと存在している偽物のまさみが、作中のある出来事を通して、本物へと生まれ変わる。そうした彼女の成長を見せられる空間になったと思います」とコメント。
さらに、街や空を写したカットも公開。「映画やドラマでよく実景を挟むのですが、今回意識したことは、普段の生活動線であまり目にいかないような場所を、普通ではない視点から切り取りました。そしてそれが美しく見えることが重要だと考えました。つまり、登場人物たちの状況と重ねたかったんです。どんな物でも視点を変えれば良い側面が見える。生き方まで見えない空気に支配される現代の日本で、少しでも呼吸が楽になることを映像として表現したいと思いました」とポイントを述べている。
本作はオムニバスドラマとなっているが、“星”が共通したモチーフとして登場しているそうで、「星の見えない東京で、星になれなかった人たちの話として観ていただくと別の楽しみ方が出来るかもしれません。映像だけでなく、歌詞にも出てくるのでぜひ注目して観てください」と呼びかけている。
Huluオリジナル「あなたに聴かせたい歌があるんだ」は全話独占配信中（全8話）。
※記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がcinemacafe.netに還元されることがあります。
