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『すずめの戸締まり』花瀬琴音、“沖縄を生きる”現実描く映画初主演作への思い「何かが変わるきっかけになるかも」

『すずめの戸締まり』の海部千果役で話題を呼んだ花瀬琴音が、沖縄のコザを舞台に映画初主演を果たした工藤将亮監督の映画『遠いところ』が、6月9日(金)より沖縄先行公開。この度、花瀬さんら3人の新鋭キャストのインタビューが到着した。

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『遠いところ』©2022 「遠いところ」 フィルムパートナーズ
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  • 『遠いところ』@2022「遠いところ」フィルムパートナーズ
  • 『遠いところ』監督:工藤将亮

『すずめの戸締まり』の海部千果役で話題を呼んだ花瀬琴音が、沖縄のコザを舞台に映画初主演を果たした工藤将亮監督の映画『遠いところ』が、6月9日(金)より沖縄先行公開。この度、花瀬さんら3人の新鋭キャストのインタビューが到着した。


>>『遠いところ』あらすじ&キャストはこちらから

監督は、長編デビュー作『アイムクレイジー』(19)で、第22回富川国際ファンタスティック映画祭NETPAC賞(最優秀アジア映画賞)に輝いた工藤将亮。長編3作目のオリジナル作品となる本作『遠いところ』は、4年に渡り沖縄で取材を重ね脚本を執筆、全編沖縄での撮影を敢行した。

チェコの第56回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭クリスタル・グローブ・コンペティション部門に出品されると、「Variety」誌から「貧困にあえぐ日本の性差別を、痛烈に告発する。溝口健二的な現代悲劇」と激賞され、さらに第23回東京フィルメックスコンペティション部門では観客賞を受賞。第44回カイロ国際映画祭、第53回インド国際映画祭、ヨハネスブルグ映画祭など、海外映画祭で高く評価されている。

森田芳光、滝田洋二郎、行定勲、白石和彌など、日本映画界を代表する映画監督の現場で助監督を務めてきた工藤監督が構想に3年かけ、沖縄の繁華街に集まる若者から生活困窮者の支援団体まで徹底した取材を重ねて脚本を完成させた本作。

監督:工藤将亮

リアリティを追求するために、顔の知られていない出演者を起用することにした製作陣は、新人もしくはデビュー間もない俳優たちのオーディションを進めた。

幼い息子と夫との3人暮らし、過酷な現実に直面する17歳の主人公アオイには、新海誠監督『すずめの戸締まり』に大抜擢されて注目を集めた花瀬琴音が映画主演デビューを飾った。アオイと共にキャバクラで働く親友の海音(ミオ)には、映画初出演となる石田夢実

息子を省みず酒浸り、アオイに暴力をふるう夫マサヤには『衝動』(21)の佐久間祥朗が起用されている。3人は撮影の約1か月前から沖縄で生活して役作りに挑み、“沖縄で生まれ育った若者たち”を見事に演じきった。


「『当たり前』ということが一番の衝撃でした」


“沖縄に生きる社会的に過酷な立場に置かれた同世代の人”を演じた花瀬さんは、日本の貧困問題についての考えや意識が変わったという。「貧困問題は、沖縄県だけでなく全世界で起こっていることだと思います」と『遠いところ』が描くことは局地的な問題ではなく世界共通のことだと指摘する。

そして、「ちゃんと勉強すれば良い。ちゃんと仕事をすれば良い。ちゃんと誰かに相談すれば良い。そう感じる方もいるかも知れませんが、ちゃんと勉強する環境も仕事をする環境もなく、誰にも頼れない状況で生きる人が多くいるという現実を知りました」と、当たり前の感覚が成立しない現実に直面したという。

続けて、石田さんも「彼女達もまだ若くて、やりたいことがあるのにすぐに出来ない状況にいることが当たり前になっていて、それを周りの大人たちが気づいてあげることができていない環境に問題があると感じました」と自身の考えを述べる。

さらに、沖縄で暮らす同世代の人たちに話を聞く中で、「彼氏と別れて亡くなった子がいるということを聞きました。ただそれが珍しいことではなく当たり前のこととして話していて。その『当たり前』ということが一番の衝撃でした」と、沖縄を生きる人々の日常に大きな衝撃を受け、驚かされたという。


「次の世代を担うのは僕ら。この状況を、映画を通して伝えたい」


酒に溺れて暴力を振るい、アオイが得た給料を奪って街に繰り出す夫マサヤを演じた佐久間さんは、「人や物事は球体だと個人的に思っていて、沖縄も同様に表と裏があり、綺麗な海があるように、枯渇した部分もありました」と沖縄の現状を語り、「僕らが出来ることは、まず知る事からだと再認識しました」と、現実に起こっている社会の問題に目を向けることから始めるしかないと指摘する。

石田さんはこの作品に対して、「この役を演じていて、普通とは何なのか何度も考えさせられました日本の沖縄で、当たり前に起きているこの状況を、映画を通して伝えたいです」とコメント。

「僕は今年で25歳になったのですが、世の中的にはもうとっくに大人です。次の世代を担うのは僕らだと思います。何かを感じて欲しいとかそういう事ではなく、ただ、観て欲しいです」と語る佐久間さんは、いままさに現実にある社会問題をただ知ってほしいと切実に訴えかけた。

最後に花瀬さんは、「これからの未来を作る若い世代の方々が、アオイのように生きる人の現状を知り、頭の片隅にでも置いておいて頂ければ、この先何かが変わるきっかけになるかもしれません。映画『遠いところ』は、その現状を広めるほんの少しの種かも知れませんが、少しでも多くの人に知って頂いただくきっかけになれば幸いです」と、ひとりでも多くの人の心に映画が届くことを願っていると結んでいる。

『遠いところ』は6月9日(金)より沖縄先行、7月7日(金)より全国にて順次公開。


アイムクレイジー

(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《シネマカフェ編集部》

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