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娘の視点で見る父と母…『理想郷』特別映像&監督コメント「真の主人公は妻オルガ」

2022年、第35回東京国際映画祭で主要3冠獲得した話題作『理想郷』より特別映像が解禁された。

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『理想郷』© Arcadia Motion Pictures, S.L., Caballo Films, S.L., Cronos Entertainment, A.I.E,Le pacte S.A.S.
『理想郷』© Arcadia Motion Pictures, S.L., Caballo Films, S.L., Cronos Entertainment, A.I.E,Le pacte S.A.S.
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2022年、第35回東京国際映画祭で主要3冠を獲得した話題作『理想郷』より特別映像が解禁された。

スペインを震撼させた実話を基にした本作は、都会を離れ、夢を抱いて小さな村に移住したフランス人夫婦に起きた事件を描く心理スリラーだ。この度解禁されたのは、本編で娘の視点を通して描かれる父と母の生き様を捉えた特別映像。

映像では、アントワーヌとオルガの夫婦が劇中見せる対照的な姿を、フランスに残ったふたりの娘であるマリー(マリー・コロン)の視点を通して捉えたもの。最初の【娘がよく知る父の優しさ】は、アントワーヌが主となる第1部のワンシーン。

マリーとビデオ通話をしているアントワーヌ(ドゥニ・メノーシェ)は、マリーの困りごとに対して「よく話しあってみなさい。友達なら分かってくれる」と冷静に助言しつつ、第三者として介入することも匂わせる。それに呆れたような表情を浮かべながらも微笑むマリー。そして、画面にマリーの息子が登場すると、思わず顔がほころぶアントワーヌ。おせっかいで“孫”煩悩という父の姿は、マリーにとって馴染みのあるものなのだ。

続く【娘が知らなかった母の強さ】は、これまでほとんど詳細が明かされていない第2部から、強い印象を残すシーンを切り取ったもの。

オルガは購入した羊を引き取るために市場を訪れ、久しぶりに村を訪れていたマリーも手伝うために同行していた。オルガは、少し前を歩いていたマリーに隣人兄弟の弟ロレンソ(ディエゴ・アニード)が寄ってきたのに気づき、すかさず彼に近づき「あの子に構わないで」と一蹴。両親と激しく対立し、“実力行使”までしてきたのがこの兄弟だと知るマリーは恐怖ですっかり茫然自失に。

「大丈夫よ。何も怖いことはないわ」と娘に声をかけ、車で待つように言うオルガ。マリーは市場に戻った母の姿をずっと見ていた。この直前ふたりは激しい口論になり、オルガの考えが全く理解できないマリーは、母の生き方を全否定するような酷い言葉をぶつけていた。しかし、目の前にいるのは、これまで自分が知らなかった強い覚悟を湛える母の姿だったのだ。

脚本も務めたロドリゴ・ソロゴイェン監督は、ある母親の心の再生を描いた前作『おもかげ』など自身の作品で長くともに脚本を手掛けてきた女性脚本家イザベル・ペーニャと今回も共同で脚本を執筆。<都会>と<田舎>の対立について描く本作の中で、ふたりは少しずつオルガというキャラクターに焦点を当て始めたという。

ソロゴイェン監督は、「私たちはオルガを真の主人公と据え、二重的要素を持つ映画にしようと決断しました。まず、脚本全体を2部構成として考え始め、そして、全てに二重性を持たせる方法を模索しました。第1部はアントワーヌの視点から語られ、第2部はオルガの視点から。主人公の後を追うように登場する、一見二次的と思われるこの女性こそが真の主人公なのです」と、映画が持つ驚きの構造について明かす。

そして、「オルガの物語こそ、語られるべきものだと感じました。影に存在するような女性で、夫を追って冒険に乗り出しますが、最初は素敵に思えたこの冒険が危険なものになっていき、オルガは夫の命に危険が及ぶのではないかと恐れ、対立を抑えようと試みます。こうして彼女は最悪の状況に追い込まれていくのです」とオルガの置かれている状況を説明。

さらに、「第1部の中心は男性で、第2部の中心は女性です。第1部には武器が登場しますが、第2部には登場しません。第1部と第2部では迎えるクライマックスも全く異なりますが、これは偶然ではありません。実際に、世界中の男性と女性はこのように衝突を解決してきたのだと私たちは考えています」と、映画の主題の陰に隠された、物語が真に描こうとしたものを解説する。

夫アントワーヌと第2の人生を歩む決意をし、ともに小さな村に移住したオルガ。アントワーヌが隣人兄弟と対立を深める中で激しい不安と恐怖に襲われていく彼女が、その日々から芽生える強い覚悟と生き様とは…。本編で明かされるその姿を見届けてほしい。

『理想郷』は11月3日(金・祝)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シネマート新宿ほか全国にて順次公開。



おもかげ(字幕版)
¥2,000
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《シネマカフェ編集部》

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