※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

女性たちを描くフランスの巨匠の冒険ミステリー3作品「ジャック・リヴェット傑作選」4月上映

女性たちを主人公に様々な冒険譚をつくりあげてきたフランスの巨匠ジャック・リヴェットが描く冒険ミステリーの傑作3本が、デジタルリマスター版でスクリーンに蘇る「ジャック・リヴェット傑作選2024」が上映。

映画 洋画ニュース
注目記事

女性たちを主人公に様々な冒険譚をつくりあげてきたフランスの巨匠ジャック・リヴェットが描く冒険ミステリーの傑作3本が、デジタルリマスター版でスクリーンに蘇る「ジャック・リヴェット傑作選2024」が4月19日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷より順次公開。予告編が到着した。

ジャン=リュック・ゴダールやフランソワ・トリュフォーらと並んでヌーヴェルヴァーグの中心的人物であり、1991年には『美しき諍い女』で第44回カンヌ国際映画祭審査員グランプリを受賞するなど精力的に活動を続けていたジャック・リヴェット。

今年2月のセザール賞授賞式で、フランス映画界の性加害を告発してきたジュディット・ゴドレーシュがスピーチの最後に、リヴェット監督の『セリーヌとジュリーは舟でゆく』の台詞を引用したことも記憶に新しく、いまも世界中のアーティストや映画ファンたちから絶大な支持を得ている。

『地に堕ちた愛 完全版』 © 1983 LA CECILIA © 2018 Les Films du Veilleur

今回は、2022年に開催した「ジャック・リヴェット映画祭」に続き、貴重な3作品『地に堕ちた愛 完全版』『彼女たちの舞台』『パリでかくれんぼ 完全版』を全作品4Kデジタルリマスターによる修復版で公開決定。

『地に堕ちた愛』は昨年惜しまれつつもこの世を去った女優で永遠のファッション・アイコン、ジェーン・バーキンと、チャールズ・チャップリンの娘でヨーロッパ、ハリウッド作品にも多く出演する実力派、ジェラルディン・チャップリンが主演をつとめた心理劇。限られた空間を縦横無尽に駆け回るカメラワークの美しさと、主演2人の洒脱なスタイルも魅力。

『地に堕ちた愛 完全版』ジェーン・バーキン © 1983 LA CECILIA © 2018 Les Films du Veilleur

日本で初めて公開されたリヴェット作品である記念すべき映画『彼女たちの舞台』は、とある演劇学校に通う女性たちが巻き込まれる事件を描いたもので、現実と虚構が溶け合うミステリーでありながら、若手女優たちの鮮やかな個性が弾ける、青春映画としての一面も持つ。

『彼女たちの舞台』 © 1988 PIERRE GRISE PRODUCTIONS © 2017 Les Films du Veilleur

3人の女性がパリを舞台に冒険に繰り出す『パリでかくれんぼ』は生き生きとしたミュージカル。ジャン=リュック・ゴダール作品をはじめ、ヌーヴェル・ヴァーグのミューズとして輝いたアンナ・カリーナが友情出演し、歌声を披露しているのも見どころ。

そのほか、【ジャック・リヴェット映画祭】で上映された煌びやかなファンタジー『デュエル』と、世代を超えて愛される、色褪せることのない人気作『セリーヌとジュリーは舟でゆく』も特別に上映。女性たちが物語をつむぎ、遊び心たっぷりに、永遠の謎と終わることのない冒険を刻みつけたジャック・リヴェットの世界には多彩なエネルギーが満ちている。

また、フランス文学者・中条省平(学習院大学教授)からも「あらゆる細部が、純粋な映画の快楽で私たちを魅了する」とのコメントが到着している。

◆上映作品◆

『地に堕ちた愛 完全版』1984年

ある戯曲を改作して上演していた女優のシャルロットとエミリーは、その戯曲の作者クレマンに呼ばれ、彼の邸宅で新作を演じることを提案される。しかしラストは決まっておらず、女性の役はひとつしかない。訳の分からぬまま1週間後の本番に向けて稽古を始めるふたりだったが、屋敷のいわくありげな住人たちと生活を共にするうち、演目と現実がリンクしていることに気づき始める…。

いくつもの謎が散りばめられ、役割やパートナーは絶えず入れ替わり、リアルと虚構は曖昧になる。リヴェットの遊び心と実験精神満載の愛憎劇。

『彼女たちの舞台』1988年

女子だけの演劇学校に通うアンナ、クロード、ジョイス、ルシアの4人組は、パリ郊外の屋敷で共同生活をおくっている。ある日、同じ演劇学校の生徒で、わけありの恋人がいるというセシルが不可解な犯罪に巻き込まれたとの噂が。同じころ、4人の彼女たちに謎めいた男がつきまとうようになって――。

名キャメラマン、カロリーヌ・シャンプティエがとらえる官能的な色彩のコントラストに加え、等身大でキュートな彼女たちの衣装にインテリアと、様々なディティールも楽しく心踊る1作。演劇学校の先生役には、リヴェット作品に欠かせない名優ビュル・オジェ。

『パリでかくれんぼ 完全版』1995年

荷物に貼られる「こわれもの注意」の原題をもつ本作は、3人のヒロインが図書館へ、公園へ、クラブへ動きまわって、あるときはローラースケートで滑り、歌い、生き生きと舞うミュージカル。パワフルな不良少女ニノン、5年間の昏睡状態から目覚めたルイーズ、「本当の母親」を探しているイダ。そして、彼女らを結びつけるひとりの男…。

『パリでかくれんぼ 完全版』アンナ・カリーナ© Pierre Grise Productions, 1995. © 2019 Les Films du Veilleur

音楽も主役のひとりである本作には、クラブ歌手役でシャンソン歌手エンゾ・エンゾ、そして『修道女』以来20年ぶりのリヴェット映画への出演となる、ヌーヴェル・ヴァーグの女神アンナ・カリーナも特別出演。

『セリーヌとジュリーは舟でゆく』1974年

公園のベンチで魔術の本を読んでいた司書のジュリーが魔術師セリーヌと出会ったことからはじまる奇妙な冒険、そしてある殺人事件のにおい。「不思議の国のアリス」的迷宮を思わせる冒頭から始まる本作は、セリーヌ役のジュリエット・ベルトとジュリー役のドミニク・ラブリエが書き始めた台本から出発し構成された。

幻想と現実の境界線を軽やかに飛び越えて自由に入れ替わる主人公たちのユーモラスなやりとりや70年代を象徴するサイケデリックな衣装も楽しく、遊び心に溢れたファンタジーの傑作にしてリヴェットの人気作。

『デュエル』1976年

現代のパリを舞台に、地上での生を受けるため魔法の石をめぐって太陽の女王と月の女王が対決するファンタジー。リヴェットはジェラール・ド・ネルヴァルの小説に着想を得て、ラブストーリー、犯罪劇、西部劇、ミュージカル・コメディといった内容の<火の娘たち>と称した4部作を構想し、本作はその“犯罪劇”にあたる。奇想天外なおとぎ話のような題材を挑戦的なフィルム・ノワールの要素を盛り込んで表現し、超現実的で詩的な美しさを達成した。

「ジャック・リヴェット傑作選 2024」は4月19日(金)~5月9日(木)、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開。


ジャック・リヴェット Blu-ray BOX Ⅰ
¥8,653
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
ジャック・リヴェット Blu-ray BOX Ⅱ
¥8,737
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《シネマカフェ編集部》

特集

編集部おすすめの記事

【注目の記事】[PR]

特集

page top