母親の愛を渇望しながらも、町の男たちと乱れた生活をしている母の姿を嫌う少年・クンデル(ピョトル・ヤギェルスキ)は、一人で生きていく決意をし、町はずれの川べりに打ち捨てられた艀船に住みつく。集めた空き缶や屑鉄を売って生活している彼に、町の大人たちは同情的なまなざしを注いでいるが、クンデルはほどこしを受けようとはしない。そんなある日、一人の少女(アグニェシカ・ナゴジツカ)が彼の前に現れる。艀船のそばにたたずむ裕福な家の子である彼女も、美しく賢い姉に対する劣等感や誰にも愛されないという気持ちをアルコールで紛らわせていた。幼い心に癒されない寂しさを抱える2人は互いを気遣いあって絆を深めていくが…。
ドロタ・ケンジェルザヴスカ