ハリケーン・カトリーナ襲来時の功績を認められ警部補に昇進したテレンス(ニコラス・ケイジ)。だが、彼は愛人の高級娼婦・フランキー(エヴァ・メンデス)と共にドラッグや賭博に溺れ、警察が押収した麻薬をも着服していた。ある日、テレンスは不法移民家族の殺害事件の指揮をとることに。さらに時を同じくして、フランキーのトラブルにも巻き込まれ、事態は思わぬ方向に進んでいく――。
ヴェルナー・ヘルツォーク
昨年来、借金苦で税金を滞納し、破産寸前といわれているニコラス・ケイジだが、サンフランシスコで開催されたSFやアメコミなどの祭典「WonderCon 2010」で、最新主演作『魔法使いの弟子』のプロモーションに登場し、元気そうな顔を見せた。
腐敗したN.Y.を舞台に、酒とドラッグに溺れては悪徳に身を染めるというとんでもない刑事の姿を描き、賛否両論を呼んだ問題作が、監督・キャストを一新して生まれ変わった。巨匠アベラ・フェレーラによるクライムサスペンス『バッド・ルーテナント 刑事とドラッグとキリスト』('92)のリメイクをニュー・ジャーマン・シネマの旗手ヴェルナー・ヘルツォークが、“悪徳警部補(=バッド・ルーテナント)”役として名優ニコラス・ケイジを迎え、実現させたのだ。そして、彼に負けず劣らず、鋭い輝きを放っているのが官能的な魅力たっぷりのエヴァ・メンデス。日本での公開を前に、彼女からのメッセージが届いた。