朝鮮民主主義人民共和国の首都・平壌で暮らす李桂先(リ・ゲソン)。かつては家族と共に広島に住んでいたが、大学へ通うためひとりで平壌に帰郷する。しかし、平壌で結婚後、桂先さんの健康状態は次第に悪くなっていった。そんなある日、広島から訪ねてきた母親が、病にひどく苦しむ娘の姿を見て、広島市で被爆していることを告げる。それは被爆から59年も経ってのことだった――。
伊藤孝司