根本勲、60歳。電車の運転士を定年退職してから時間を持て余す日々を送っていた。妻の敏子は習い事を始め、昼間は留守がち。そんな彼の家の庭には、毎日違う猫がフラっとやってくるのだった。ある日、娘から5歳の孫・ちずるの世話を任されたものの、まったく懐かない孫娘の世話や慣れない家事に悪戦苦闘。そのとき、彼の前に女性ものの下着を首に巻いた猫が現れて――。
有馬顕