現代美術家・杉本博司。2009年高松宮記念世界文化賞など国内外で数々の賞を受賞し、海外のオークションでは数千万円で落札されることもある、現代美術界を牽引する存在だ。杉本の出発点は写真家だった。写真は「いま目の前にある現実を切り取るもの」だと思われているが、杉本は写真をコンセプチャルアートの手段として捉え、その可能性を無限に広めた。本作は、そんな杉本に初めて密着取材を行った貴重なドキュメンタリー。
中村佑子