人目を避け、生き続ける男・浩司(寺十)と、偽りの名で社会生活を送りながら男を生かし続ける女・陽子(前川)。2011年3月11日の大震災から1年経った春。アパートの一室。その日、女はいつも通り2人分の弁当を買う。そして男に頼まれてもいない買い物をし、懐かしい歌を口ずさむ。いつもと同じようで少し違うお互いの様子。長い夜、2人の17年間の答え合わせが始まる――。
木村文洋