交通事故で父を失い、母親と郊外に引っ越してきた17歳の女子高生・はつ実。ある日、古紙回収の仕事で近所を回っていた隆太郎と出逢う。お互いのことを話すうちにふたりの仲は自然に深まり、やがて強く惹かれあうようになる。予備校に行かずに隆太郎と会っていたはつ実は、心配する母親と口論になり、隆太郎との唯一の連絡手段である携帯電話を壊してしまう。お互いに連絡が途絶えてしまったなか、はつ実に嫌われたと思いこみ、落ち込む隆太郎。そしてふたりが再会した日の夜、感情を抑えられない隆太郎は、勢いにまかせてはつ実を襲ってしまう。やがて事件は明るみになり、ふたりは加害者と被害者の関係になってしまう。心と体に大きな傷を抱え、隆太郎への揺れ動く気持ちの中で、はつ実はついに驚きの決断を下す――。
金井純一