世界が桃色に変わるとき、この地上に「断食芸人」が出現した。男は「断食芸人」となった。かつては唯の男だった。悠久の時の中で人類の愚かさを知り、哀しみをとらえ、絶望を眺めてきた。過去の時は新しく、未来はとても懐かしい。「断食芸人」。永遠の意味を知る唯一の存在である。
足立正生