愛媛県宇和島市。小説家デビューを果たすものの2作目の小説が書けない主人公の赤松雀は、地元に戻り図書館の自転車課で働き始める。共に働くのは元ロードレーサーの岡崎とアルバイトで嫌味な上司の娘・ハナ。ある日、本の常連客であるトメから「もともと現在の市立図書館の前には、空襲で全焼した私立伊達図書館があった」ということとトメ自身も戦前はそこで働いていたことを教えられる。そんな最中、街は“伊達400年祭の武者行列”で使用される着物の刺繍模様の復元するための資料“御家伝来の本”を探して騒ぎとなっていた…。
大森研一