米作が主な産業の秋田県鷲谷町。美しい田んぼが広がる町だが、少子高齢化・人口減少から、町内にある唯一の中学校が、今年度限りでの閉校が決まっている。田んぼが金色に輝く収穫の9月。東京からUターンしてきた父親とともに転校してきた中島彰は、空に謎の光を目撃する。光を追いかけると、佐藤秀雄の田んぼにミステリーサークルが出来ており、彰はそこに横たわる美しい少女・真希と出会う。まだ誰にも存在を知られていないミステリーサークルを、2人だけの秘密にするはずだったが…。オトナになることを強いられる彰と、オトナになることを拒否する真希。ミステリーサークルを巡る騒動が、互いの家族、友人、学校、まちを巻き込んで、それぞれの本音を露わにしていく。光を追いかけて走る、彰と真希が立ち向かうそれぞれの運命とは? 米農家としての将来を憂う秀雄の選択とは? ミステリーサークル、それは“未来への儀式”。ミステリーサークルが人々を、図らずも未来へと導き、成長させていく青春物語。
成田洋一