特殊美術造形家・時宮健三が亡くなった。祖父である時宮の仕事に、あまり良い思い出がなかった朱莉は、複雑な心境でファン向けのお別れ会に訪れていた。そこには、同級生の卓也の姿もあった。朱莉と卓也は、時宮が作ろうとした映画『神の筆』に出演する予定だったという穂積と出会う。穂積は鞄から『神の筆』の小道具である筆を手に「世界の破滅を防いでください」と話すと、その言葉とともに朱莉と卓也は光に包み込まれ、2人は『神の筆』の世界に入り込んでしまう。そして、映画に登場しないはずの怪獣ヤマタノオロチが、破壊し尽くそうとする光景を目の当たりにする――。
村瀬継蔵