昭和30年代。巨大企業・国民航空に務める恩地元(渡辺謙)は、労働組合委員長を務めた結果、会社から10年におよぶ僻地での海外勤務を命ぜられる。家族との長年にわたる離れ離れの生活で焦燥感と孤独に追いつめられ、本社への復帰を果たした後も不遇な日々は続く。そんな中、航空史上最大のジャンボ機墜落事故が起こる。救援隊として現地に赴いた恩地は、誰も経験したことがない悲劇に直面し、苦悩する。政府の要請により新会長の会長室部長に抜擢された恩地は、組織の建て直しを図るべく動きはじめるが、それは終わりなき暗闘の始まりだった…。映像化不可能と言われた山崎豊子の同名小説の映画化作品。
若松節朗