裕福な家庭に生まれ、両親と3人暮らしの一見何不自由ない生活をしている17歳少年・真人(柄本佑)。しかし、世間体ばかり気にする両親や上辺だけの愛情を注ぐ母親に失望しきっていた。真人は17年前に起きた、新生児誘拐事件の被害者という過去を持っていた。母親の愛を知らない真人は、自分を誘拐した女=“ほんとうの母親”を探す旅に出る。沖縄の人里離れた小さな海辺にある「桜井食堂」で働きながらひっそりと暮らす1人の女性・愛子(松雪泰子)。そしてそこで住み込みのアルバイトをすることになった真人。真人と愛子の間にはいつしか恋人とも親子ともいえない奇妙な愛情が芽生え始めるが…。
若松節朗