幾たる世界の戦場を取材してきたベテラン報道写真家、広河隆一。1967年、中東戦争後のイスラエルで暮らしていた当時23歳の広河は、ある日サボテンが群生する「白い廃墟」を発見する。それは、ダリヤトルーハと呼ばれる、かつてパレスチナ人が暮らしていた村の跡だった。「ホロコーストを経験したユダヤ人のキブツが、パレスチナ人の村の土地に建てられている」――。衝撃的な事実を知った広河は、失われた村の住民を探し求めるため、「破壊と追放の歴史」を辿る旅を始める。40年間に及ぶ徹底的な取材でパレスチナの姿を映し出したドキュメンタリー。
広河隆一