岩淵弘樹、23歳。平日は、製造派遣大手の日研総業からキャノンの工場に派遣され、時給1,250円での単純労働を、週末は憧れの東京でフルキャストの日雇いの派遣と、不安定な労働環境から抜け出せないでいた。そんな彼は、フリーターの権利を求めるデモに酸化し、NHKの「クローズアップ現代」の取材を受ける。だが、画面に映し出されたのは、“不幸で貧しい若者”でしかなかった…。岩淵本人が日記のように回し続けるビデオカメラを通じて、現代日本の社会・経済構造が生み出した現実やマスメディアが図式化する問題、そして生きづらい青春を不器用に走る、一人の若者の姿を映し出した、リアル青春ドキュメンタリー。香港国際映画祭、レインダンス(ロンドン)映画祭招待作品。
岩淵弘樹