ブルボン王朝支配下、イタリア統一を目前に控えた19世紀半ばのシチリア。かつてのスペイン副王の末裔であり、シチリアの名門貴族であるウゼダ家では、絶大なる権力を持つ極めて封建的な父と、嫡男であるコンサルヴォが激しく対立していた。イタリア統一の時代を迎えてもなお、したたかに生きる父の生き方を否定しながらも、一族の枠から逃れられないコンサルヴォ。当主となった彼が一族を守るため、選択する道とは――。フェデリコ・デ・ロベルトの同名小説が原作の、2008年イタリア・アカデミー賞(ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞)4部門受賞作品。
ロベルト・ファエンツァ