すべてを失った日本が焼け跡の中から、生み出した「マンガ」。戦後の日本に活力を与えただけでなく、いまや、世界中に広がり、カルチャーの一大潮流となった。ところが我々日本人は、この分野で世界から絶賛、注目されるクリエイターの名前を知らない。彼の名は、辰巳ヨシヒロ。元々は子供のものであった「マンガ」を、大人の読み物に昇華させ、“マンガの神様”手塚治虫を嫉妬させた「劇画」の名付け親である辰巳の功績は、アメリカ・フランスといったマンガ文化の先進国において極めて高い評価をうけ、マンガにおけるカンヌとも言われる「アングレーム国際漫画祭」で特別賞を受賞するなど、その地位を確立。まさに邦題サブタイトル“マンガに革命を起こした男”として日本でも再評価の機運が高まっている。
エリック・クー