立山連峰で父と共に幼少期を過ごした主人公・亨(とおる)。広大な自然を前に息子に厳しく接する父親とそれに反発する息子。社会人となった亨は、幼少期とは対照的な金融の世界で金が金を生み出すトレーダーとして“歯車”となって日々を過ごしていた。そんなある日、父の訃報が突然届く。通夜のため帰ってきた亨だが、久々に山に触れたことをきっかけに、生まれ育った故郷に戻り父の山小屋を継ぐことを決意する。都会とは違う山での生活に苦労する亨だが、昔と変わることない山の自然に心を癒されていく。そんなある日、亨の前に、亡くなった父の友人を名乗る不思議な山男・ゴロさんが現れる…。
木村大作