カッパドキアに佇むホテル・オセロ。若く美しい妻と、離婚で戻ってきた妹と暮らす元舞台役者のアイドゥン。オーナーとして悠々自適に暮らす毎日だが、冬の訪れによって閉ざされいくホテルの中で、それぞれの内面が次第に明らかになっていく。さらに、アイドゥンへの家賃を滞納する一家との不和が彼を悩ませる。妻と妹、気の置けない友人、そして相容れない隣人との終わりのない会話をつづけながら、アイドゥンは人を赦すこと、愛することの意味と自らの人生に思いを馳せていく。凍てつく大地の雪解けを待ちながら―。
ヌリ・ビルゲ・ジェイラン