「忍びの世界で最強」の名をほしいままにしていた虎影は6年前にその道を捨て、忍者の里の片隅で愛する妻・月影と子供・孤月とともに静かに暮らしていた。ある日、忍者首領が手に入れた「黄金の巻物」の、もう片方の「銀の巻物」を手に入れるため、あらぬ罪で息子孤月を人質にとられ、やむなく夫婦二人、再び任務に就くことになる。虎影と月影の夫婦忍者は、「銀の巻物」を持っている藩主の館に忍び込み、巻物を盗み出す事に成功するが、人柱になっていた少年を助けたため、傭兵忍者部隊に捕らえられてしまう。やむなく虎影は、悪辣な藩主に交渉し、月影を人質として残し、孤月を救うため、忍者の里へ再び向かうのだった。家族二人が両方の陣営で人質となり、虎影は、二人を助ける為に奮闘する―。
西村喜廣