8年の沈黙を破ったハーモニー・コリン「映画はそのときの自分の精神状態を表す」

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『ミスター・ロンリー』 -(C) 2006 O'South Limited, Love Streams agnes b. Productions, Metropolitan Film Productions Limited and Fuzzy Bunny Inc.
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  • 『ミスター・ロンリー』 ハーモニー・コリン監督
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『KIDS/キッズ』で脚本家として鮮烈なデビューを飾り、『ガンモ』、『ジュリアン』と監督作品を発表したあと、突然映画界から身をひいてしまったハーモニー・コリン。その独特な世界観と斬新な映像で一躍人気監督となった彼が8年の歳月を経て、『ミスター・ロンリー』で映画界に復帰した。人の物まねをすることで自分のアイデンティティを確立し、小さなコミューンで肩を寄せ合って暮らす“インパーソネーター”を主人公にした本作について聞いた。

本作は監督にとって初の共同脚本の作品でもある。パートナーはアビ・コリン。監督の実弟だ。
「僕は長い間映画を作ってなかったし、脚本も書いていなかったから、脚本の書き方から勉強しなきゃいけないなと思っていたんだ。僕の弟は良いライターであると同時に、歯が2本しかなくて、いつもタートルネックを着て、いつも帽子をかぶって、地下室に一人で住んでいて、生肉を好むというすごく変わった人。このくらい変わっているんだから、一緒に仕事をしても問題ないんじゃないかと思ったよ。それで『一緒に映画の脚本を書かないか』と電話したら、『3か月分のマックナゲットを買ってくれるならいいよ。ハニーソース付きね』と言うので(笑)、『いいよ』と答えたら、すぐに来てくれたんだ」。

監督の作品は“純粋”という言葉が似合う気がする。純粋であるがゆえに不器用で、不器用であるがゆえに傷ついてしまう主人公たち。傷つきながらもその“純粋さ”が汚れることはない。その雰囲気は『ミスター・ロンリー』にも感じられるのだが、前2作『ガンモ』『ジュリアン』と比べると、まるで見えなかったトゲが見えるようになり、見えていても、そのトゲで傷ついてしまうような、“成長”というには少しニュアンスが違うが、そんなこなれた感があるのだ。

「その通りだね。人として、あるいはフィルムメーカーとして、持っている強迫観念みたいなものは変わらない。同じツボで笑うとか、惹かれるものも同じ。この8年で何が変わったかと言えば、それは物事に対する理解力なんじゃないかな。ある人々や状況に対する共感の度合いが増えたんだと思うよ。僕が23歳のとき、世界はいまよりも厳しくキツイという印象を持っていた。でも33歳になれば進化、あるいは退化するからね」。

それはつまり、監督自身の精神的成長によるものということなのか?
「いままで作ってきた映画も全部そうだけど、その時々の僕の精神的な状態を表しているんだ。映画を作り始めた頃は、カオスだったり、コラージュだったり、それからイメージがいろんな方向から来る。それが僕を挑発したり、攻撃的だったりすることが大切だったんだ。そうしたイメージがストーリーの中で展開していく形、それが『ガンモ』とか『ジュリアン』。それは、僕にとってはプロットやあらすじよりもイメージ、映像的なもの、映画が持つ特徴、あるいはその雰囲気といったようなものの方が、より重要だったから。でも今回はもう少しフォーマルでクラシカルな、しっかり構成があるような形で語った方がいいんじゃないかと思ったんだ」。

《text:cinemacafe.net》

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