爽やかとはほど遠い青春を送った人はきっとツボ『俺たちに明日はないッス』

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『俺たちに明日はないッス』 -(C) 2008 さそうあきら・小学館/『俺たちに明日はないッス』製作委員会
  • 『俺たちに明日はないッス』 -(C) 2008 さそうあきら・小学館/『俺たちに明日はないッス』製作委員会
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  • 『俺たちに明日はないッス』 -(C) 2008 さそうあきら・小学館/『俺たちに明日はないッス』製作委員会
青春映画と銘打つ作品は山ほどあるけれど、こんなにも淡々と“セックス”について描いている映画は多くはないのではないだろうか。大抵は性を取り上げつつも夢や希望や素敵な恋なんかがテーマになっているのに、この『俺たちに明日はないッス』の主人公・比留間(柄本時生)たち──高校3年生、17歳真っ只中の彼らにはそんなキレイごとの青春ではなく、明けても暮れてもあるのは“セックス”への興味のみ。ヤリたくてもヤレない行き場のない欲求不満はタバコを吸っても、酒を飲んでも、麻雀をしても、デブの男友達の胸を揉んでも晴れることはなく、そんな童貞たちをリアルに描いていく。スラップスティックというのかブラックユーモアというのか…悶々とした若者たちの日常に気が付くと惹き付けられてしまうのだ。

原作は「神童」、「コドモのコドモ」の映画化で知られる、さそうあきらの短編漫画(1994年刊行)。愛やセックス、犯罪、音楽をテーマに、常にシニカルな視点で世の中を切り取る彼が、様々な世代の“性”について描き、その世界観に心奪われたタナダユキ監督が映画化を熱望。全18編から高校生が主人公の3編「ロマンス」、「揺れています」、「教えてください」を選び“性”春映画を作り上げた。ちなみに、主題歌は南沙織の名曲「17才」なのだが、カバーするのはタナダ監督のたっての希望で声がかかった「銀杏BOYZ」。もちろん、彼らの奏でる「17才」はたまらなく映画にぴったりで、これがエンディングで流れてくると自分自身の輝かしい青春ではない、悶々とした冴えない高校時代が思い出されるはず。というわけで、爽やかではない学生時代を思い浮かべた人、多分ツボです。

《text:Rie Shintani》
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