村井良大インタビュー “悩まない22歳”の進む道

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『アブラクサスの祭』 村井良大
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10代、特に高校生の時期というのはあれやこれやと思い悩むもの。恋や友情に始まり、将来、自我に至るまで答えの出ない問答を繰り返し…いや、10代どころかいい年になっても同じような悩みに振り回されるのでタチが悪いのだが…。映画『アブラクサスの祭』はまさに、若い頃からの懊悩(とウツ)を引きずった僧侶が“音楽”によってそれを取っ払おうとする姿がユーモアたっぷりに描かれる。芥川賞作家で自身も僧侶の玄侑宗久による同名小説を映画化した本作で、映画オリジナルの登場人物である高校生の隆太を演じているのは、「仮面ライダー」シリーズやミュージカル「テニスの王子様」などで注目を浴びる22歳の新鋭・村井良大(りょうた)。つい数年前まで10代だったとあって、さぞや村井さんの頭の中も悩みに満ち溢れているだろうと思いきや…。

“ウツの坊主の話”…「味わいがあって気に入った」
 
まずは最初に脚本を読んだときの物語の印象を尋ねると「あぁ、これはウツになりそうな作品だな…って少し暗くなったことを覚えています(苦笑)」とストレートな答えが。悩める坊主が主人公、という時点でなんだか暗い物語をイメージしてしまうが、どこか目が離せない、不思議な魅力を持った物語でもある。
「そう、登場人物たちの淡々としたやり取りに味わいがあってすごく気に入りましたね。芝居を楽しめそうだなって。(自身が演じた)隆太は無口で、将来のことなんて何も考えてなさそうな高校生という印象でした。まあ実際は何も考えてないわけじゃないんだろうけど、傍からに見ると『こいつ、何考えてんの?』って感じの。不良ってわけでもなく、グループでつるんでる感じでもなく…一番やっかいなタイプですね(笑)」。

村井さん自身が高校を卒業して数年が経つが、自身の経験や思い出を役に取り入れたりも?
「最初が高校でのシーンだったので、リアル高校生と並んで立っていると『あぁ、こんな感じ!』って思い出されるものはありましたね。僕の高校時代ですか? 悩みもなく目標もやりたいこともなく、という感じで(苦笑)、そういう意味では隆太とは似ていますね。まあ、ここまで無気力じゃなかったですが…」。

そんな隆太だが父親を突然なくし、そして主人公の悩める僧侶・浄念と関わりを深めていく中で徐々に変化し、グッと大人びた表情を見せるようになる。では、“悩みも目標もない高校生”だった村井さんは何をきっかけに変化し、この俳優という仕事に没頭するようになったのか?
「大学に行くとかいう目標もないままに高校生活送ってて、いまの事務所に入ったときに、俳優になりたいとは思ったんです。でも、本当の意味で覚悟を決めたのは、仕事を始めてからですね。『風魔の小次郎』というドラマでデビューしたとき、『この仕事でしっかりとやっていこう』って初めて思ったんです。芝居が楽しいと思えたし、みんなで作り上げていくというのも素晴らしいなって思えたんです」。

スネオヘアーとの対峙「どこかリアクションに困ってしまう感じ(笑)」

作品に話を戻そう。隆太に重大な影響を与えることになる、僧侶・浄念を演じているのはミュージシャンのスネオヘアー。浄念と隆太が近距離で顔と顔を寄せて向かい合うシーンがあるが、スクリーンを通してでも、スネオさんの圧倒的な目の力、迫力が伝わってくる。あれをその場で受け止めるというのはどんな体験だったのだろうか?
「もうこのひと、何を考えてるんだろう? って思わせるものがあって(笑)。アーティストさんだけあって不思議な雰囲気は滲み出てるんですが…。対峙してみると演じやすくもあり、でもどこかリアクションに困ってしまう感じ。脚本の『…』が自然に引き出されるようなオーラがあるんです。(浄念の)『エビは一生、脱皮し続けるのです』ってセリフとか、本当に意味分かんないんですけど(笑)、意味の分からないまま現場に行って。でも、スネオさんの浄念自体がそもそも得体の知れない生き物なんですよ! その感覚のまま実際に向かい合って演じていました」。

プロの俳優として活動する中で、浄念のように壁にぶち当たったり悩んだりすることは? そう尋ねると、少し間を置いてこんな答えが返ってきた。
「どうなんでしょうね? 壁はいっぱいあると思います。でも、なるべくそれを壁だと思わないようにして進んでいく、という感じかな」。

楽しさも苦しさも、全てを受け入れながら自分で一歩を踏み出す——。22歳の表情からはそんな強さが感じられた。

特集:年下のカレ
http://www.cinemacafe.net/special/u25/
《text:cinemacafe.net》

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