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【MOVIE BLOG】東京国際映画祭 Day1

映画祭は膨大な人が関わっていて、いくつもの場所でいくつもの出来事が同時多発しているので、全体像をカバーするのはとても無理。なので、ごく1部の側面にすぎない…

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映画祭は膨大な人が関わっていて、いくつもの場所でいくつもの出来事が同時多発しているので、全体像をカバーするのはとても無理。なので、ごく1部の側面にすぎないとお断りした上で、今年の僕の経験する映画祭を報告!

16日(水)は午前3時まで作業。例年よりは余裕を持って臨めているのは、なぜだろう? 何かやるべきことを見逃していたりしないか? と疑心暗鬼になりながら、引き上げ。事務局にはまだまだ人が残っており、オープニングの準備を続けている。徹夜の人も多いのだろう。頑張ってほしい!

17日(木)。映画祭開幕日。5時間は寝たので、かなりスッキリ。例年の開幕前夜は0~3時間睡眠なので、今年は贅沢だ。その分、誰かがどこかで無理をしていなければいいけど…。10時には事務局に着き、本日の作業確認等、業務開始。

台風の影響は昨日で終わりだったわけではないらしく、本日到着の便にも遅れが出ており、来日スケジュールの変更が報告される。んー、公式行事に間に合えばいいけど…。

12時半から、僕にとっての映画祭開幕行事になる、コンペティション審査員との会議。チェン・カイコー監督、プロデューサーのクリス・ブラウン氏、クリス・ワイツ監督、ムン・ソリさん、そして寺島しのぶさんにご挨拶。毎年、この儀式がとても緊張する瞬間で、かつ、もはや自分の子どものような15本のコンペティションの作品が正式に旅立つ瞬間でもあり、少しだけ寂しい。「僕が彼らを愛したのと同じようにみなさんも愛してくれることを期待しています」とご挨拶し、座を辞去。

そのまま、「アジアの未来」部門のオープニング作品となる『リゴル・モルティス/死後硬直』の上映会場を覗いてみると、見事に満席! 嬉しい。この作品はホラーではあるけれど、ビジュアルがとても美しく個性的で、ホラーが苦手な人にも楽しめる。なので、多くの人に見てもらいたかったのだ。監督のジュノ・マクさんとはまだ会えていないのだけど、とてもナイスガイであるとの報告を受けているし、日本の清水崇監督がプロデューサーであることからも、映画祭中の展開がかなり楽しみな作品であります。

事務局に戻ると、「カモシカのひとが馬に会いたがっています」との報告が。一体なんのことだ?

お弁当(今日からスタッフに弁当支給。黙っていても昼と夜に食事が目の前にあることの素晴らしさよ!)のおにぎりを食べて、ここまでブログ書いて、午後の準備へ。

確認用のDVDを30分ほど見ていると、リハーサル中のオープニングセレモニー準備チームから呼び出し。慌ててタキシードに着替え、劇場に行って少しだけ確認作業。

打ち合わせが終わると15時になっていたので、急いで移動し、本年初のQ&Aの司会へ。作品は、コンペの最初のゲスト付き上映となる『エンプティ・アワーズ』。アーロン・フェルナンデス監督と、主演のクリスティアン・フェルレル君が昨夜無事に来日していて、間に合ってよかった!

順調に推移したのだけど、最初のQ&Aということもあり(?)、自己紹介をするのを忘れてしまった。今年映画祭に初めて来た人には、あのタキシード来て司会しているのはどこの馬の骨だ? と思ったに違いない…。

Q&A終了して、ただちにオープニングのカーペットイベントへ。カーペットの途中のフォトセッションポイントが僕の配置場所で、続々とやってくる人々がどの作品の関係者なのかを進行の人に伝えるのが役目。監督や役者の顔を見てどの作品なのかがすぐに分かる人は、映画祭内でもそれほど多くないので、こんな僕でも使い道があるというわけだ。

16時から始まり、数々の映画人がやってくるけれど、特に見とれているヒマもなく(当たり前だ)、黙々と進行のお手伝い。でもまあ、フランシス・フォード・コッポラを間近で目撃したのは感動したし(なんとなくオーソン・ウェルズ的な巨体を想像していたら、そうでもなくて、小さくはないけど巨大でもなかった)、古舘寛治さんと4年連続でカーペット上でお会いできたのは嬉しかったし、大森南朋さんすごくカッコいいし、山田真歩さんと初めて話ができて嬉しかったし(「こちらへどうぞ」と言っただけだけど)、山田キヌヲさん素敵だなあと遠目で見たり、僕が若手で最も好きな俳優のひとりの大東駿介さんは気さくで感じが良くていいなあとか、やっぱり長澤まさみさんは素晴らしい、とか、トム・ハンクスはトム・ハンクスだなあ、とか、冷静とミーハーの間で心は揺れつつ、3時間の長丁場を乗り切りました。

参加されたゲストの方々は本当に大変だったと思うし、映画祭側に至らない点もあり、快適なことばかりでなかったかもしれないけれど、少なくとも表向きは何とかうまくいったみたい。ともかく、複雑極まりないミッション・インポッシブルなオペレーションを可能にした映画祭スタッフの叡智と努力と粘りと実行力は、身内ながらも本当にすごいと思う。なんといっても、『キャプテン・フィリップス』のポール・グリーングラス監督とトム・ハンクス、『清須会議』の三谷監督と役所広司さん、さらには首相が、一堂に会するのだ。その段取り組みと調整の苦労は、まさに想像を絶する!

いったん事務局へもどり、弁当1個と差し入れの稲荷ずし(美味!)を4つ一気食いし、オープニング・レセプション会場へ。

たくさんの人たちとお話しが出来て、これまた本番モードが盛り上がる。中でも、夕方来日したフランソワ・デュペロン監督とじっくりお話しできたのはとても嬉しい。今回上映する『魂を治す男』は本当に素晴らしい作品なので、『がんばればいいこともある』で来日が出来なかった分、僕としては7年越しの夢が叶った思い。

今回の作品の主役の俳優の話や(僕は本当にその彼、グレゴリー・デュボワは、フランスを代表する俳優になると思っている)、現在のフランスでいかに映画が撮りづらくなっているかなど、短時間ながら密度の濃い話ができた。嫌味なところが全くない、愛想の良い、本当に素晴らしい人。今度はもう少し長めに来日してもらいたいなあ。とにかく、『魂を治す男』、お見逃しのなきよう!

『オルドス警察日記』のニン・イン監督や、『ルールを曲げろ』のベフナム・ベフザディ監督や、杉野希妃さん、二階堂ふみさん、『シチリアの裏通り』のエレナ・コッタさん、『サッドティー』の今泉力哉監督や、二ノ宮隆太郎監督(今回は出演)、『友だちと歩こう』の緒方明監督などなど、国籍やキャリア入り混じりの出会いや雑談がこの上なく充実。

0時近くにお開き。職場に戻り、余っていた弁当をもうひとつ頂き、明日の準備をしながらブログを書いて、2時半。そろそろ引き上げよう。映画祭、明日から本格スタート!
《矢田部吉彦》

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