【インタビュー】クリス・ヘムズワースが体現した分厚い胸板の奥の“弱さ”と“葛藤”

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クリス・ヘムズワース『ラッシュ/プライドと友情』/PHOTO:Naoki Kurozu
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  • 『ラッシュ/プライドと友情』-(C) 2013 RUSH FILMS LIMITED/EGOLITOSSELL FILM AND ACTION IMAGE.ALL RIGHTS RESERVED.
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  • 『ラッシュ プライドと友情』-(C) 2013 RUSH FILMS LIMITED/EGOLITOSSELL FILM AND ACTION IMAGE.ALLRIGHTS RESERVED.
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あまりに劇中のプレイボーイぶりがハマり過ぎていて、「これは私生活でもかなりの…」と思ってしまいそうになるが、素顔は妻と娘を愛し、まもなく生まれてくる予定の第二子との対面を心待ちにする子煩悩なパパらしい。プレイボーイどころか、セックスシーンの撮影すら「裸で人前に立つなんて初めての体験で、バスローブを脱ぐ瞬間は青ざめた(苦笑)」とか…。

とはいえ、プレイボーイでなかろうが妻子がいようが、クリス・ヘムズワースがいま、ハリウッドでNo.1のセクシー系マッチョで、日本にも「その腕に抱かれたい!」「ぶら下がりたい!」という女性ファンが数多くいるのは紛れもない事実である。

そんな彼が最新作『ラッシュ/プライドと友情』で演じているのは、実在したF1レーサーのジェームス・ハント。豪放磊落なプレイボーイで直感に優れた天才肌のドライバーに見事になりきり、スクリーンの中で、いまや伝説となった1976年の熾烈なF1チャンピオン争いの模様を再現した。

「作品のどこに惹かれたか? 大好きなロン・ハワード監督の映画に出演するのは夢だったし、何より脚本が素晴らしかった。70年代ならではのセクシーな雰囲気にあふれ、カーアクションも満載だけど、一方で鋭い人間ドラマが描かれている。ライバル関係に熾烈なチャンピオン争い、命を懸けてまで何かをやりたいという男たちの思いが詰まってるんだ」。

いまではF1でドライバーが死ぬようなことがあれば大事件だが、当時は年に数件の死亡事故が起こるのは当たり前という、いまとは比べ物にならない危険な状況。実際、劇中でもハントの最大のライバルであるニキ・ラウダ(ダニエル・ブリュール)が雨天のGPでクラッシュし、瀕死の重傷を負う模様が描かれる。こうしたリスクに身を投じ、文字通り命を削りながらも走り続ける“中毒”とも言える男たちの心理をクリスも理解できる?

「彼らの心理には驚くべき部分があるけど、あまりに高いリスクに身を置くということは、“いま”にしか集中できず、先のことなんて考えられないという特別な状態になるんだと思う。高い山に登ったり、大きな波に挑んだりというのも同じ感覚かもしれない。本当に何も考えられない、いまここにいることしかできないという状態が中毒のようなものを引き起こすんだろうね。僕が演じたジェームスも、おそらくは普段はいろんなことを考えてしまうタイプの人間だったと思う。でも、レースの時だけ強制的に“いま”に集中させられるんだ。そういう感覚は少しは分かった気がするね」。

ジェームス・ハントという天才ドライバーの肖像について、「自由なスピリットを持ち、自らの言動を検閲するようなところがない。『みんな、好きかどうかは分からないけど、これがオレなんだ!』ととことん自分を貫く激しいまでの正直さを体現したかった」と語るクリス。一方でこうした性格やプレイボーイとしての一面は、彼の弱さや繊細さ、恐怖の表れであるとも。

「レースの外でも彼はやり過ぎるほどにやる。ドラッグも女もパーティも全てが過剰だった。でもこうした行動は、彼の心の中にある弱さや闇を補おうとしていたからだと思う。一度でも立ち止まれば、『オレは誰なんだ?』『周りの連中は本当にオレを尊敬しているのか?』とかいろんな問いかけが彼を追いかけてきて、圧倒されてしまう。そこから逃れるために全てを過剰に装っていたんだと思う。本当の自分をさらけ出して嫌われる前に、あえて周りから嫌われるような言動をしていたんだ。そうした彼の葛藤を感じてもらえたら嬉しいね」。

ハントと自らが重なる部分については「いつもじっとしていられないところ。常に何かに関わり情熱を持って取り組むところかな?」と語り、「でも、プレイボーイの部分は全く似てないよ。その点に関してはきっと妻は喜んでるだろうね(笑)」と笑顔で付け加える。

現在30歳。『マイティ・ソー』および『アベンジャーズ』シリーズで一躍、ハリウッドのトップ俳優の仲間入りを果たしたが、周囲の喧騒をよそに本人は落ち着いた口調で先を見つめる。

「『マイティ・ソー』の後の展開が早かったような感じはあるけど、とはいえ僕はもう10年以上も役者をやって来ているからね。そういう意味で僕自身としては決して早いとは感じていないし、一晩でスターになったなんて感覚はないんだ。とはいえ、ここ数年の状況に関しては本当に感謝してるよ。数年前までは役を求めてあちこちを回っていたけど、いまでは自分で役を選べる立場になった。ようやく、扉が少し開いた気がしてるよ」。
《photo / text:Naoki Kurozu》

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