女性たちが観た『アメリカン・スナイパー』悩みを抱えた夫を…支える妻か? 導く妻か?

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『アメリカン・スナイパー』に見る“妻”像 (C)2014 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., WV FILMS IV LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC-U.S., CANADA, BAHAMAS & BERMUDA.(C) 2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC-ALL OTHER TERRITORIES.
  • 『アメリカン・スナイパー』に見る“妻”像 (C)2014 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., WV FILMS IV LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC-U.S., CANADA, BAHAMAS & BERMUDA.(C) 2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC-ALL OTHER TERRITORIES.
  • 『アメリカン・スナイパー』最新ビジュアル(C)2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
  • クリス&タヤ・カイル夫妻を演じた、ブラッドリー・クーパー&シエナ・ミラー/『アメリカン・スナイパー』-(C) 2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
  • 『アメリカン・スナイパー』-(C) 2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
  • 『アメリカン・スナイパー』-(C) 2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
  • 『アメリカン・スナイパー』 (C)2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
本年度アカデミー賞にて「作品賞」「主演男優賞」を含む6部門にノミネートされ注目を集めている、クリント・イーストウッド監督の最新作『アメリカン・スナイパー』。“戦争”を描きながらも、本作で描かれるのは葛藤するひとりの男、そしてその苦悩を支えるひとりの妻の姿が女性を中心に共感を呼んでいる。

そこでシネマカフェでは、元プロテニスプレーヤーの杉本愛を招いての女性限定試写会を開催。同イベントに参加した女性たちにアンケートを実施。果たして、イーストウッド監督の最新作をどんな風に受け止めたのだろうか?

本作はすでに海外で公開されており、“戦争”というセンシティブな問題を扱っていることもあり、賛否両論を巻き起こしながら、これまでの『許されざる者』『ミリオンダラー・ベイビー』『グラン・トリノ』といった自身の作品の記録を抜き去り、興行ランキングは3週連続NO.1を獲得し、3億5,000万ドル~4億ドル(約480億円※1ドル=120円換算)に達するのではないかと見込まれている。

本作で描かれるのは、9.11以降のイラク戦争。米海軍特殊部隊ネイビー・シールズに入隊を果たしたクリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)に課せられた任務は「どんなに過酷な状況でも仲間を必ず守ること」だ。狙撃の精度の高さで任務をこなし、“レジェンド”の異名を轟かせる彼は、敵からは“悪魔”と恐れられていた。過酷で終わりのない戦争は、幾度となくクリスを戦地へと向かわせ、彼の心を次第に蝕んでいく…。

そんな彼の戦場に立つ最大の理由が“家族”だ。妻を、子どもたちを守るため…そんな思いで冷酷無比な銃弾をもって敵兵を射抜く天才。しかし、狂気渦巻く戦場で人の心はかくも脆くバランスを崩す。帰国し、妻のタヤと過ごしていても小さなもの音に過敏に反応し、ドライブ中も後ろの車に尾行されているような錯覚に陥る。虚空を見つめながら、その視線は遥か先の戦場で結ばれているのだ。本作のキャッチコピーとなっている「彼は帰ってきた。心は戦場においたままで。」という言葉は、まさに彼の妻・タヤの視線からのものだ。

まずは本作について女性たちに「満足度」を聞いてみると、実に8割以上の女性が「満足した」と回答。さらに、「守るために殺すという、相反する行動の葛藤を感じました」(20代)、「戦争の不毛さ。クリントイーストウッド監督の素晴らしさを感じた」(30代)、「戦争は誰も幸せにしない。ハイテクの米兵に旧式の武器で向かっていく人たちにも妻がいて子どもがいたはず」(40代)とイーストウッド監督が込めたメッセージを真摯に受け止めた様子。

さらに、夫婦の物語でもある本作については女性ならではの感想が多くの感想が寄せられた。特に目立ったのは、カイルの妻・タヤについての感想だ。

「何も話してくれない夫(カイル)への不安はとても大きかったと思う。電話の向こうで銃声や爆発音がしていることに耐えながら、信じて待ち続けるのは、本当に過酷だと思うし、それでも愛する人の為、家族の為、耐え続けたことはとても偉大な母だと思う」(20代後半)、「夫のことが好きだからこそ、彼が望む任務を遂げてもらいたい。そして好きだからこそ危険なところへ行ってほしくない。その葛藤がとても伝わってきて、同じ女性として共感できました」(20代後半)といった妻として、母として、ひとりの女性としてタヤに共感する声が。

そして、「私だったら待てないと思う。戦場に行く彼を見送れない。支える前に自分がダメになりそう」(30代前半)、「夫を支えるなら多くを言わずに追い詰めずに受け入れる器が私はほしい」(30代前半)「共感はできます。素晴らしいとも思ったけど、きっと自分にはできないな…と思った」(20代前半)など、タヤと自身を重ね合わせて本作を観賞したという女性たちも多かった。戦場に心を置いてきてしまった夫・カイルを“家族”として繋ぎとめようとする彼女の葛藤にもぜひ注目してほしい。

最後にもう1問。戦場から帰ってきた夫と、会社から帰ってきた夫を同じ天秤で測るのは難しいかもしれないが、悩みや葛藤は日常生活の上でも誰もが抱えるもの…ということで、「もし、夫(または恋人)が密かに悩みを抱えていたらどうしますか?」という質問を投げかけてみた。

「自分が想像する以上に重いものを背負っているであろう人に、どう言葉をかければいいのか分からない。何も言わずそばにいることが精一杯」(20代前半)、「相手を信頼・尊敬していれば見守る。美味しいご飯を食べさせ、清潔な空間を与え、時を待つ」(30代後半)、「黙ってハグ」(30代前半)、「自分の意見を押しつけず支えたい」(20代前半)と答える“黙って支える型”の女性たちがいる一方で、現代女性ならではの回答も。

「悩みを打ち明けるように説得する」(20代後半)、「信頼できる夫の友人に助けを求める」(30代前半)、「本を読んだり、カウンセラーに相談すると思う」(40代後半)と快方に向かうようにと引っ張っていく“グイグイ型”の女性たちがおよそ半数だった。

本作で描かれる妻・タヤは実はその両方を持ち合わせている。夫が戦場にいる時はじっと家庭を守り、帰還すればパーティを開き、それでも心が戦場から帰ってきてきないと察すれば「戻ってきて」と気付かせる。支え方にもいろいろある。ただ、支えてばかりも切ないはず…“家族”を続けていくには、男性たちはそんな女性たちの気持ちに気づいてあげられるかがポイントなのかも?

『アメリカン・スナイパー』は2月21日(土)より新宿ピカデリー・丸の内ピカデリーほか全国にて公開。
《text:cinemacafe.net》

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