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【シネマカフェ的サントラのすすめVol.3】『新劇場版 攻殻機動隊』『海街diary』『ハッピーエンドが書けるまで』

シネマカフェが“いま”聞いて欲しいサントラを紹介する「シネマカフェ的サントラのすすめ」。第三回目の今回は、伝説のアニメシリーズの新劇場版サントラや、この夏おすすめの是枝監督最新作のサウンドトラックなどをご紹介。

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『海街diary』 -(C) 2015吉田秋生・小学館/「海街diary」製作委員会
『海街diary』 -(C) 2015吉田秋生・小学館/「海街diary」製作委員会
  • 『海街diary』 -(C) 2015吉田秋生・小学館/「海街diary」製作委員会
  • 冒頭カット-(C) 士郎正宗・Production I.G/講談社・「攻殻機動隊 新劇場版」製作委員会
  • リリー・コリンズ主演『ハッピーエンドが書けるまで』 (C)2012 Writers the Movie,LLC
  • 綾瀬はるか&長澤まさみ&夏帆&広瀬すず/『海街diary』 -(C) 2015吉田秋生・小学館/「海街diary」製作委員会
  • 冒頭カット-(C) 士郎正宗・Production I.G/講談社・「攻殻機動隊 新劇場版」製作委員会
  • リリー・コリンズ主演『ハッピーエンドが書けるまで』 (C)2012 Writers the Movie,LLC
シネマカフェが“いま”聞いて欲しいサントラを紹介する「シネマカフェ的サントラのすすめ」。第三回目の今回は、伝説のアニメシリーズの新劇場版サントラや、この夏おすすめの是枝監督最新作のサウンドトラックなどをご紹介。

■『新劇場版 攻殻機動隊』
ハリウッドでスカーレット・ヨハンソンを主演に映画化されることも決定している、日本が誇るSFシリーズ『攻殻機動隊』。今年で25周年を迎える本シリーズは、これまで、押井守監督による『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』および『イノセンス』、神山健治監督による『攻殻機動隊S.A.C. SOLID STATE SOCIETY 3D』が劇場作品として公開されており、『新劇場版 攻殻機動隊』は4作目の映画作品となる。

これまでの川井憲次、菅野よう子に変わり、本作および劇場版へと続くストーリーを描いた「ARISE」シリーズからは、音楽をコーネリアスが担当。過去にコーネリアスが映画音楽を手掛けたのは、『攻殻』と同じく士郎正宗原作による『EX MACHINA』で音楽監督を務めた細野晴臣とのコラボ楽曲と、ドキュメンタリー映画 「100万回生きたねこ」など、意外にも少ない。しかしながら、辻川幸一郎が手掛けるミュージックビデオや、映像とのシンクロナイズを目指した数々のショーなど、映像作品と彼の音楽の相性は折り紙つきであり、NHK「デザインあ」でのサウンドトラック提供は、彼のサウンドの特徴であるデザイン性の高さを見事に体現した例だと言える。

これまでの『攻殻』においては、作品の持つ情報量の多さに呼応するかのように作りこまれた川井さん、菅野さんの音楽が作品の魅力に寄与する部分が大きかったが、コーネリアスのサウンドデザインの整然としたたたずまいや、激しさのなかにも同時に感じられる統率された静けさは、新シリーズのまた新しいユニークな魅力を演出している。特に、コーネリアスの音楽の特徴である、適切に配置された音やノイズの数々が生み出す響きは、劇場のサラウンドシステムによって鳴らされると独自の快楽性が生まれ、映画に音楽的な魅力を加えることにも成功している。ともに国内外で高い評価を得ているアニメとミュージシャンのコラボレーションとして、注目したい一枚。

■『海街diary』
是枝裕和監督の最新作『海街diary』では、上述の『攻殻機動隊』のほか、数々のアニメやCM音楽などを手掛ける菅野よう子が音楽を担当している。

これまで実写映画としては、中島哲也監督『下妻物語』や、小栗旬が監督し話題を呼んだ『シュアリー・サムデイ』、桜井翔主演『ハチミツとクローバー』、『tokyo.sora』『好きだ、』『ペタル ダンス』といった石川寛監督のすべての作品などを手掛けてきた菅野さんの音楽は、作品によって大きく趣向が異なるのが特徴。『海街diary』においては、これまでの是枝監督作品と同様に、そこまで音楽が多用されるわけではなく、物語の舞台となる鎌倉の風景を照らす光のように、すっと空気に溶け込むような優しい音楽が鳴らされる。広範な音楽性の中でも特に特徴的な菅野さんはピアノはどこまでもやわらかく、クラシカルな風格漂う和音は途方もなく美しい。夏の清涼剤としてもおすすめしたい一枚。

■『ハッピーエンドが書けるまで』
前作『きっと、星のせいじゃない。』においても、サントラの良さに定評があったジョシュ・ブーン監督。新作『ハッピーエンドが書けるまで』においても選曲のセンスがよく、耳なじみのいい楽曲が並ぶサウンドトラックに仕上がっている。

ちなみに、ケイトがラスティにプレゼントするCD「Fevers and Mirrors」は、劇中に流れるインストゥルメンタルを手掛けたマイク・モーギスとネイト・ ウォルコットがかつて在籍したバンド「ブライト・アイズ」のサードアルバムであり、そのボーカリストであるコナー・オバーストの楽曲が劇中で使用されるなどと、分かる人からするとちょっとニヤリとしてしまう選曲もいい。他にも、雨の振る夜に車の中でリリー・コリンズ演じるサマンサとルイスが聞くエリオット・スミスの「Between the Bars」など、物語の中で音楽がドラマチックに絡んでくるので、本作に感動したひとならぜひ手にとってほしい一枚。
《text:Toshihiro Horiai》

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