【インタビュー】多部未華子×綾野剛、俳優にとって“共感”とは?『ピース オブ ケイク』で初共演

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『ピース オブ ケイク』多部未華子、綾野剛/Photo:Ryo Uchida
  • 『ピース オブ ケイク』多部未華子、綾野剛/Photo:Ryo Uchida
  • 『ピース オブ ケイク』(C)2015 ジョージ朝倉/祥伝社/「ピース オブ ケイク」製作委員会
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  • 『ピース オブ ケイク』(C)2015 ジョージ朝倉/祥伝社/「ピース オブ ケイク」製作委員会
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ジョージ朝倉の同名恋愛コミックを映画化した『ピース オブ ケイク』(田口トモロヲ監督)で、いまをときめく多部未華子と綾野剛という豪華な初共演が実現。何事にも流されて生きてきたヒロインと、恋人ありの隣人との“こんがらがった”恋愛模様を織りなしている。

「以前から共演したかったです。イメージが全然違うふたりが映画を通して関わり合うのは大切なこと」と綾野さん。一方、多部さんは「そんなにイメージ違いますか?」と首をかしげるが、綾野さんが「あくまで世間的なイメージだけど、多部さんはやっぱり明るくてパッと輝いている。僕は真逆なので。極端に言えば光と闇、みたいな」と分析。「確かに観客の皆さんにとっては、意外な組み合わせなのかもしれません」と多部さんも納得の表情だ。

浮気がバレ、本命の彼氏から別れを告げられた25歳の志乃(多部さん)は心機一転、引っ越しを決行。その夜、アパートの隣人で、新しいバイト先の店長・京志郎(綾野さん)に出会い、運命を感じてしまう。「そのとき、風が吹いた」。恋人と別れたばかりのタイミング、しかも京志郎には同棲中の恋人がいたが、志乃の京志郎に対する思いはあふれるばかり。紆余曲折を経て、交際を始める二人だが、今度は志乃の疑心暗鬼が原因で…。

綾野さんの言葉通り、「明るく輝いた」イメージが強い多部さんが、本作では大人の魅力を垣間見せている。「新しい自分を出せたかなと思います。体当たりの演技もありますが、それを綾野さんが自然に受け止めてくれました」と多部さん。以前、綾野さんの主演舞台「太陽2068」の稽古を見学したといい、「まるで遊ぶようにお芝居する俳優さんという印象。今回はドタバタの恋愛劇ですし、こちらが自由に演じても安心だなと思った」のだとか。

一方、綾野さんも「多部さんと協力しあうことで、お互いの感情を出し切ることができた」と強い手応えを示す。「演技がすばらしいのはもちろんですが、技術うんぬんではなく、原作が持つリアリティを突き詰めながら、非常に快活な志乃を見せてくれた。おかげで自分が演じる京志郎の輪郭が、はっきりと見えてきました。いまふり返ると、自分が京志郎として存在できたのは、多部さんが志乃を演じてくれたからです」と全幅の信頼を寄せる。

演じた役柄については、どう感じているだろうか? 多部さんは「原作の志乃ちゃんの見た目と私自身が全然違うので、最初は『私でいいのかな?』とも思った」と率直にふり返る。それでも「私もどちらかといえば、志乃ちゃんと同じで押しに弱くて流されやすいタイプ。それに京志郎が不安要素の多い男性なので、好きな分、被害妄想や疑心暗鬼に陥る気持ちもわかります。だから原作との違いは気にせず、志乃ちゃんの心の声を表現したかった」。

そんな多部さんの発言に、「内面に共感できたのはラッキーだよね」と綾野さん。そこで綾野さんには「俳優にとって、共感とは?」と質問をぶつけた。「持論ですが、共感とは諸刃の剣だと思うんです。共感すればいい演技ができるわけではありませんし、例えば犯罪者を演じる場合、役柄に共感するのは難しい。僕自身は深く共感を探らないので。作品にもよりますが、現場には監督もいてくれるし、俳優としては思いきり演じるだけです」。

シナリオに書かれた人物像やセリフ。それらを表現する俳優が個々のアプローチを通して、キャラクターに命を吹きこみ、絵や言葉にはできない生身の空気感が生まれてこそ、映像化の醍醐味があるというもの。「芝居がどんどん混ざり合っていく感覚は、俳優が演じるからこそ。大切なのは、より良い作品を完成させたいという現場への信頼感です」(綾野さん)。若手実力派が勢ぞろいする『ピース オブ ケイク』にも、その息吹は存分に吹き荒れている。
《photo / text:Ryo Uchida》

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