【シネマモード】クリエイター魂を刺激する!? 『偉大なるマルグリット』

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『偉大なるマルグリット』(C)2015 -FIDELITE FILMS - FRANCE 3 CINEMA - SIRENA FILM - SCOPE PICTURES - JOUROR CINEMA - CN5 PRODUCTIONS - GABRIEL INC
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オペラ歌手といえば、誰もが圧倒的な歌唱力と存在感で、舞台を支配するスターというイメージをお持ちのことでしょう。女性なら、“歌姫”“ディーヴァ”と呼ばれて、賞賛される存在。でも、真実とは不思議なもの。“伝説の音痴”と呼ばれた歌姫が実在したというのです。そんな彼女の素顔に迫ったのが映画『偉大なるマルグリット』

フランス郊外に邸宅を構える裕福な貴族、マルグリット・デュモン男爵夫人は音楽が大好き。彼女のサロンには、音楽家たちが呼ばれ、招待客を楽しませています。でも、メインイベントは、女主人であるマルグリット自らによるオペラ。その歌声は…あまりにも壊滅的だと仲間の間では有名でした。貴族たちは、“礼儀”として彼女を賞賛するので、本人は自らの音痴にも、人々がひそひそと噂し、笑っていることに気づきません。そんな状況に耐えられず、夫のジョルジュは遅れて登場。客に紛れていた辛口の新聞記者ボーモンは、“心を鷲掴みにする歌声”と、マルグリットの純粋さ、彼女を取り巻く人間関係に興味を抱き、近づいていくのです。彼の目を通し、徐々に明らかになるその素顔とは…。

小説よりも奇なる事実も興味深いのですが、邸宅のインテリアや、流行のファッションも見どころの本作。マルグリットの生活は圧倒的な美意識に彩られています。例えば、彼女は白いものしか食べません。曰く「食事は白いものだけ。お米、鶏肉、チコリ、ネギ」。白いプレートには白い料理だけが並びます。「そんなものが身体に良いとでも?」と人がたずねると、「メニューはすべて白で統一するの。達成感があるのよ」と返すのです。彼女の変わり者ぶり、そして純粋さが浮き彫りになるエピソードです。

でもここで湧き上がるのが、そこまで完璧主義なのに、なぜ自分が音痴なのに気づかないのかという疑問。実はそこから、素っ頓狂な歌声に隠されたマルグリットの切ない心が見えてくるのです。となると、音痴ではあるものの、彼女の歌声にどこか“味”を感じはじめたりして。歌う理由、表現したい情熱がある人は強いもの。よくクラシックコンサートに通う私としても、巨匠、有名コンクールの受賞者などの演奏であっても、上手いだけで感情が揺さぶられないということを幾度も実感してきました。極端なことを言えば、稚拙な演奏でも、そこに思いがあれば、聴く者の内側から何かが溢れだすことはあるということです。そんなことを考えながら観ていると、オペラ界に“伝説の音痴”が存在したことも、なんだか納得できるのです。

音楽を愛する心、滑稽なのに心憂い歌声、満たされない気持ち……笑いと切なさが交差する、大人のための喜劇と呼べるこの作品ですが、その世界観が、2月28日まで東京・丸の内のH.P.FRANCE BIJOUX WINDOW GALLERYで楽しめます。撮影で実際に使用された豪華な衣装の数々を、BIJOUXで扱うジュエリーを合わせて展示。パティスリーモンシェールでは、マルグリットが好んだ白をモチーフにしたオリジナルのコラボレーション商品「純白の堂島ロール」も期間限定で発売されます。そのほかにもコラボ企画が続々なのです。

足りなかったのは才能だけ。それでも音楽に没頭した純粋で情熱的なマルグリットは、大いにクリエイターの心を刺激するのかもしれませんね。
《text:June Makiguchi》

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