※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

【シネマモード】「一緒にお金持ちになろう!」時代をプロデュースした男から学ぶ仕事哲学

マイク・マイヤーズといえば、米人気コメディ番組「サタデー・ナイト・ライブ」で大活躍していた1980年代から、映画『ウェインズ・ワールド』『オースティン・パワーズ』で…

最新ニュース コラム
注目記事
『スーパーメンチ -時代をプロデュースした男!-』(C)2013 NoMoneyFun Films Inc. and A&ETelevision Networks LLC. All Rights Reserved.
『スーパーメンチ -時代をプロデュースした男!-』(C)2013 NoMoneyFun Films Inc. and A&ETelevision Networks LLC. All Rights Reserved.
  • 『スーパーメンチ -時代をプロデュースした男!-』(C)2013 NoMoneyFun Films Inc. and A&ETelevision Networks LLC. All Rights Reserved.
  • 『スーパーメンチ -時代をプロデュースした男!-』(C)2013 NoMoneyFun Films Inc. and A&ETelevision Networks LLC. All Rights Reserved.
  • 『スーパーメンチ -時代をプロデュースした男!-』(C)2013 NoMoneyFun Films Inc. and A&ETelevision Networks LLC. All Rights Reserved.
  • 『スーパーメンチ -時代をプロデュースした男!-』(C)2013 NoMoneyFun Films Inc. and A&ETelevision Networks LLC. All Rights Reserved.
それを証明する代表的なエピソードもあります。かつてシェフたちには働いても働いてもお金にならない時代がありました。彼らが過小評価されていることに胸を痛めたシェップが考案したのが、料理人たちをブランド化すること。才能が正当に評価され、稼げるシステムをと産みだされたのが、“カリスマシェフ”という文化でした。

「生涯をかけて人を有名にしてきた」と話すシェップ。同じ有名になるにしても、彼のように情に厚いパートナーと一緒なら、きっと心も満たされるはず。何と心優しいシェップは、有名な友人たちが人目を気にせずプライベートを愉しめるようにと、ホスピタリティを学ぶため有名シェフに弟子入りし、料理のスキルを身に付けました。彼の家は“OPEN DOOR POLICY”が貫かれています。スターたちは、落ち込んだ時にいつでも彼を訪ね、好きなだけ滞在していくことができるのです。生き馬の目を抜くとも称されるエンタメ業界で生きるセレブたちには、信頼できる人が少ないのかもしれません。そんな中、常に腕を広げて待っていてくれる友人は、オアシスのような存在なのでしょう。

「仕事をするうえで大事なのは思いやりだ」とシェップ。ある人はいいます、「僕の知る成功者はみんな悲惨だった。でも彼と知り合って、成功して幸せな人生を送る人もいると知ったんだ」と。きっと彼の幸せは、彼の人柄が生み出したもの。でも、人柄の良い人物が必ずしも幸せになれるとは限らないのがこの世界。だからこそ、この貴重でハッピーな半生が、ある種の理想的な生き様として紹介される意義がある、と言えるでしょう。

シェップは、悪知恵やいたずら心、直感でエンタメ界の常識を覆してきた人。事件を起こし、ニュースを生み、時代をつくりあげてきたけれど、何よりも誠実であり続けたことが成功の秘訣なのだと、本作を観れば一目瞭然。それは、仕事でも、プライベートでも。だから友人たちは彼をsuper mensch=“超いい人”と呼ぶのです。彼のために、満面の笑顔で本作に登場したスターはアリスをはじめ、マイケル・ダグラス、シルベスター・スタローン、ウィリー・ネルソン、スティーブン・タイラー、そしてダライ・ラマまで数知れず。彼らが語るエピソードには、思わず涙腺が緩んでしまう種類のものも。そう、超いい人は、人々に笑いだけでなく、感動も運んできてくれるのです。

監督のマイクも、『ウェインズ・ワールド』でアリス・クーパーの楽曲を使用するための交渉でシェップと知り合い(同作にはアリスも登場していて、ウェインたちに神と崇められるシーンがあります)、以来22年もの長きに渡り親交を深める友。悪友らしいやり方で、ちょっとヤバめのおイたネタも盛り込みつつ、マズい話は笑い飛ばし、いい話は最高に盛り上げて、軽快にエンタメ界のオモシロ神話を白日の下に晒していくのです。音楽好きでもそうでなくても、かなり笑えて、なおかつ人生における大切なものについて真剣に考えさられるドキュメンタリー。秘蔵映像、プライベート画像が盛りだくさんなので、1960年代~現在までのグラマラスなファッションの変遷も、臨場感たっぷりに楽しめます。

いやはや、世の中にはとことん豪快な人がいるもの。「世界は広い!」と感じさせてくれるとともに、なんだか無性に明日からの日々を頑張りたくなる、不思議なパワーを持った作品。素晴らしき出会いに感謝したくなる映画なので、大好きな友人を誘って観るのもお勧めですよ。
《牧口じゅん》

映画、だけではありません。 牧口じゅん

通信社勤務、映画祭事務局スタッフを経て、映画ライターに。映画専門サイト、女性誌男性誌などでコラムやインタビュー記事を執筆。旅、グルメなどカルチャー系取材多数。ドッグマッサージセラピストの資格を持ち、動物をこよなく愛する。趣味はクラシック音楽鑑賞。

+ 続きを読む

関連記事

特集

【注目の記事】[PR]

特集

page top