【インタビュー】木村拓哉×杉咲花 役柄を超え守りたい――「覚悟と信頼」を共有し結ばれた絆

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『無限の住人』(C)沙村広明/講談社 (C)2017映画「無限の住人」製作委員会
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「原作、そして台本を読み進めるほどに、この作品を生身の人間が映像化するハードルの高さを感じました。(原作の)ファンの皆さんには、いろんな意見もあるでしょうし、プレッシャーがなかったと言えば、完全にウソになる。現場に立つ、それだけで挑戦でした」。

長年、映画にドラマと数々の主演を務めてきた木村拓哉をして、こう語らせるのが『無限の住人』の実写化プロジェクトである。原作は国内外で熱狂的な支持を集め、累計発行部数750万部を突破する沙村広明による同名コミック。謎の老婆の術によって「死んでも死なない」肉体を手にした伝説の人斬り万次が、親を殺された少女・凜から、仇討ちの用心棒を依頼され、死線を超えた戦いに身を投じる規格外の“ぶった斬り”エンターテインメントだ。

万次を演じる木村さんは原作の世界観を忠実に再現すべく、壮絶なアクションをすべてノースタントでこなし、特殊メイクで右目が見えない状態で、異次元の殺陣に挑んだ。その勇姿はまさに“覚悟”の結晶として輝きを放つ。「あの空間で、いかに万次でいられるか。そして、目の前で起こる事柄にどう向き合うべきか。そのことだけを考えた現場でしたね。主演としての意識? 今回は万次を演じきることに精いっぱいでしたから…」(木村さん)

復讐に燃えるヒロインの凜、そして過去に賞金稼ぎに殺された万次の妹・町を一人二役で演じるのが、第40回日本アカデミー賞で最優秀助演女優賞に輝いた杉咲花。文字通り、“凜”とした存在感で荒涼とした世界に立ち、一途な思いを花開かせる姿には、木村さんも思わず「もはや、役柄を超えた部分で、何が何でも守ってあげたいと思えた」とふり返るほど。杉咲さんにとっても、新たなチャレンジに満ちた本作はまさに“覚悟”の1本である。

『無限の住人』メイキングカット
「刀を握って構えること自体が初めてでした。稽古した翌日は、箸をもつ手が震えてしまって…。正直、怖いなと思う場面もありましたし、ブルブルしていました」と杉咲さん。その度胸と女優魂に、木村さんは「いやあ、これぞ杉咲花ですよ。普通、10代の女の子があんな肉食獣だらけ(笑)の現場に放り込まれたら…いや、おれでもイヤだ!」と感嘆の表情を浮かべる。そこにあるのは確かな“信頼”だ。

「杉咲花という女優さんが凜、そして町を演じてくれたことがすべてじゃないですか。いま改めて考えても、杉咲さん以外は想像もできないですから。『なぜ、万次は人を斬るのか?』という根源的な問いを投げかけてくれたし、弱いからこそ歯を食いしばり、踏ん張れる…。そんな凜の魅力を杉咲さんが見事に表現してくれた。2人の関係性は(現代的な)恋愛ではないけれど、やっぱり万次にとって、凜は愛おしい存在なので」(木村さん)

「現場で『いま、確かに私は凜なんだ』と思えたのは、常に万次さんでいてくれた木村さんのおかげなんです。例えば、私しか映っていないシーンでも、目線の先で木村さんが動きやお芝居を見せてくださったからこそ、集中力を保ち、すべてを出し切ることができた。木村さんが万次さんで良かった。本当に心強かったですし、木村さんの思いやりや優しさに触れながら、役者としても、人間としてもすごく学ぶことが多かったです」(杉咲さん)

『無限の住人』(C)沙村広明/講談社 (C)2017映画「無限の住人」製作委員会
《text:Ryo Uchida》

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