【MOVIEブログ】2017カンヌ映画祭 Day4

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20日、土曜日。映画祭のマジックのおかげでまたまた3時間睡眠ながら6時半に目覚め、外へ。本日は快晴なり。

8時半からコンペのフランス映画で『120 Beats Per Minute』。90年代初頭のパリを舞台に、エイズ撲滅運動に奔走する若い活動家たちの物語。青年たちが議論を交わす冒頭は良いのだけど、ディテールに時間を割き過ぎたのかどうか、後半に失速してしまう。2時間20分はいかにも長い。デプレシャンですら新作を2時間以内に(無理やり)収めたというのに、脚本家出身の監督は尺が長くなりがちと思ってしまうのは偏見だろうか…。

続いて11時半から「ある視点」部門の(カンヌ映画祭としては2年振りとなる)中国映画『Walking Past the Future』。リー・ルイジン監督は東京国際映画祭と縁のある監督で、とても楽しみにしていた1本。都会に対するゆるやかな批判と地方への郷愁を含むラブ・ストーリー。良い部分はあるし、監督の才能に疑いはないのだけれど、これまた少しばかり長すぎた。編集次第でもっと良くなったと思わされる…。

次は14時15分から同じく「ある視点」部門でミシェル・フランコ監督新作『April’s Daughter』。事前に読んだひとこと解説には「17歳で妊娠した娘と母親の物語」としかなかったのだけど、本編はやはりさすがフランコ監督で、まったく一筋縄ではいかない。特異な母と娘の物語で、それぞれのエゴが衝突する。フランコ印の恐ろしい映画だ。

劇場を出ると、今晩行くことになっているディナーのドレスコードがネクタイ必着との情報が入り、カンヌ市内の洋服屋でワイシャツとネクタイを買う(蝶ネクタイは持参していたけど、普通のネクタイは持ってこなかった)。

続いて18時から「監督週間」のイタリア映画で『The Intruder』(写真)。治安の悪い地域で子どもたちをかくまう施設を運営するヒロインの姿を過不足ない堅実な演出のもとに描いていく。ビターでオープンなエンディングが秀逸。これは発見と言っていい。

上映が終わって外に出ると、日本のマスコミの知り合いの方が話かけてきた。曰く、夕方のマスコミ試写が中止になって、その原因は不審物が発見されたかららしい。全員が会場の外に出されたとのこと。今年のカンヌはセキュリティーが過剰に感じられるほどだけど、過去1~2年の間にフランスで起こったテロを思い出すと無理もない。

いったん宿に戻り、先ほど購入したスーツとネクタイに着替える。今宵は21時からカンヌ映画祭が主催のディナーがあり、世界の映画祭ディレクターが招待されている。僕が知る限りこういう催しは初めてで、70回記念だからなのかな? 映画祭ディレクターにお会いできるのはもちろん、監督や俳優も参加しているので極めて有意義な晩餐だった。

カンヌ映画祭の実質ヘッドであるティエリー・フレモー氏にこのような機会を設けてくれたことを感謝し、アニエス・ヴァルダとJRに挨拶して、いかに新作に心を揺さぶられたかを伝え、それだけでも目的を果たしたようなものだけれど、ワインの勢いにまかせてマッツ・ミケルセンと(おそらく人生初の)セルフィーとやらを撮ってしまった。非公開、かな?

ホテルに戻って1時。いささか手抜きの短いブログを書いて(ごめんなさい)、今日はダウンです。
《矢田部吉彦》

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