【インタビュー】ソフィア・ブテラ、モンスターは「女性のほうが荒々しい」 王女ミイラとトム・クルーズを語る

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ソフィア・ブテラ/『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』(C)Universal Pictures
  • ソフィア・ブテラ/『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』(C)Universal Pictures
  • アマネット/『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』(C)Universal Pictures
  • 『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』(C)Universal Pictures
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朽ちた肉体を包帯でぐるぐる巻きにされたモンスター、ミイラ…。1932年の名作『ミイラ再生』に馴染みのない世代でも、「ミイラ」と聞けば、古代エジプトの棺に横たわる姿や、両手を伸ばし、よろよろと歩く姿など、脳裏にはある一定のイメージが浮かぶはずだ。

『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』は、そうしたこれまでのミイラのイメージをガラリと変えてしまった。生きたままミイラにされ、数千年の眠りから蘇る点は同じでも、85年の時を経て現代に新たに現れたミイラは、かつての“砂漠の王女”だった。

しかも演じるのは、『キングスマン』の義足の殺し屋ガゼル役で一躍注目を集めたアルジェリア系フランス人女優のソフィア・ブテラ。本作の日本公開を前に、演じた砂漠の王女について、そして初共演したビッグスター、トム・クルーズについて、ソフィアがたっぷりと語ってくれた。

アマネット/『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』(C)Universal Picturesフランケンシュタインや透明人間、狼男など、往年のモンスターたちを現代の世に蘇らせるユニバーサル・スタジオのプロジェクト「ダーク・ユニバース」。その1作目として先陣を切る本作の監督アレックス・カーツマンには、プロジェクトの立ち上がりからスクリーンに初めての“女性のミイラ”を登場させるというビジョンがあった。そして、そのカーツマンを誰よりも魅了したのが、『キングスマン』で鮮烈な印象を放っていたソフィア。なんと、トムよりも先に彼女の起用が決まっていたという。

『スター・トレック BEYOND』の撮影がちょうど終わるころに監督からアプローチをされたの。もともと子どものときにオリジナルを観ていて印象深かったんだけど、その素晴らしい作品のリメイクということと、このミイラを自分が演じるということについて、不安だったし怖いと思っていたわ」と、ソフィアはふり返って語る。『スター・トレック』で演じた激強で優秀なエンジニア、ジェイラと同様、おそらく何時間も特殊メイクが必要なこと、何より名作ホラーのリメイクであることに大きなプレッシャーを感じたのも無理はない。

「でも、最終的には、逆にそのことがまさに自分がこの役をやりたいと思った理由になった」とソフィア。カーツマン監督はソフィアにOKをもらうべく、彼女を想定したデザイン画などを用意し、プレゼンを繰り返したそうだが…。「監督のビジョンとか、オマージュというものもすごく気に入ったし、自分自身がかつては名優が演じたミイラのキャラクターを演じられるということ、そして、この『ダーク・ユニバース』というモンスターの世界に踏み入れられることに、結局はとてもワクワクしたからなの」。

「最初の映画史に残るホラーでありモンスター映画に、また命を吹き込むということだもの。その中でも、映画史に新たな歴史を刻むシリーズ1作目の主要な女性キャラクターを演じられたことは特に、私にとってすごくエキサイティングなことだった」と、ソフィアは続ける。

アマネット/『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』(C)Universal Pictures「ミイラというのは、ユニバーサル作品の中でアイコンとしてみんなの中に刻まれている。監督がミイラ役を女性に、しかも私をそのキャラクターに当てはめて思ってくれていたことが、まず何より感動したわ。女性を力づけてくれる、そんな強いキャラクターだと思うの。モンスターだからといって、女性じゃいけないという道理なんてないと思うし、こういうキャラクターを女性が演じるのは、もっとやってもいいんじゃないかと思ってる。むしろ、女性のほうがより荒々しいんじゃない?(笑)」。

とはいえ、砂漠の王女アマネットになるためには、実に「24回もスクリーンテストを繰り返した」という。その神秘的なメイクには毎回3~4時間かかったそうで、いつ撮影の声がかかってもいいように、ソフィアとメーキャップチームは午前3時からスタンバイすることもあったとか。また、絢爛ドレスを身に纏ったまま、生きながらにミイラにされたという“ミイラ”アマネットの姿は、『パイレーツ・オブ・カリビアン』全作を手がける伝説的衣装デザイナー、ペニー・ローズが苦心のすえに編み出した。

「この作品を成立させるためには、アマネットのキャラクターが成立していなければいけなかったの。やっぱり、観客みんなのマインドに何かしっかりと爪あとを残すような、ハッとさせるようなルックスが必要だったし、アマネットが再生していくさまも見せなければいけないから、そのことも含めて、とにかくいままで見たことがないようなユニークなルックスというのを求めた結果だったわ」。

『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』(C)Universal Picturesでは、美しき砂漠の王女は、そもそもなぜ、そんな運命を辿ってしまったのだろうか。「彼女は父親に捨てられた、と私は思っているの。努力してファラオ(王)になるべく頑張ってきたのに、たまたま父親に(次に)生まれた子どもが息子だったというだけで、全てのポジションを奪われてしまったの。そこにはやっぱり、なんで女性じゃダメなのかという想いもあったと思うし、だから騙されたということと、それによって心が折れてしまった、そうゆう女性なんだと私は思うわ」と、ソフィアは王女の悲運に思いを馳せる。

アマネットはいわば、自分を一番愛してくれるはずだと思っていた人に裏切られたキャラクターであり、「彼女に起きる変化というのは、実は彼女の心の中で起きていることの全部メタファーだと私は見ているの」とソフィア。「演じる私としては、やっぱり彼女にシンパシーを感じなければ、自分なりに彼女が誰であるのかをちゃんと理解して、彼女の行動を正当化しなければ、ただの邪悪な存在としてだけだったら、やっぱり演じることはできなかった。それが何かを見つけることが、自分にとっては重要だった」と明かしてくれた。

そんな王女アマネットを、ソフィアはカリスマ性たっぷりに見事に体現する。外見のみならず、その立ち姿や所作、果ては“ナイフの振り下ろし方”1つとっても、たおやかで威厳たっぷり。マドンナのバックダンサーなどで活躍してきた、ダンサーとしての素養が生かされている。「実は何をやるにしてもダンスをしていることは、私の大きな助けになってくれるの。例えば、自制心とか鍛錬とかの精神面を含め、アクションもダンスの振付のように覚えていくタイプだから、本当に役立っているわ」とソフィア。もちろん、予告編でも見せているようにキレキレのアクションは本作でも健在で、時にはあのトム演じる主人公ニックを吹っ飛ばすことも!

「そう言えば、映画の中で顔を引っぱたいていたわよね、忘れちゃってたわ(笑)」とお茶目に笑うソフィア。「でも、そんな彼と共演できたことは本当に私にとってラッキーなことだった」と真摯に語る。「彼との仕事は、喜びのひと言ね。本当に楽しくて、もちろんすごく素晴らしいアクターでもあるけれど、現場での熱意がすごいの。自分の時間や知識も惜しみなく分け与えてくれる懐の深さがあって、楽しいうえに、彼からたくさん学ぶことができたわ」と明かす。

ニック役(トム・クルーズ) cv 森川智之 『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』(C)Universal Pictures「知識も豊富だし、とにかく自分が大好きな映画作りに対する献身、全てを捧げる姿勢とか、努力を惜しまないところとか、映画作りに対する仕事量とその時間の掛け方が半端ではないの。“だからトム・クルーズはトム・クルーズなんだ”と思うほどのものだったし、心から作品作りを大切に思っている。それってたぶん、スクリーン越しに伝わる部分じゃないかな」。

さらに、「現場ではたくさんの質問を彼にぶつけることができて、どれにも丁寧に答えてくれたわ」という。例えば、どんなこと? 「かなり技術的なことで、例えばレンズの話ね。私はいままでレンズとか、フレーミングとか、カメラには詳しくなかったんだけれど、それはどの役者も知っているべき知識として、彼が結構、細かいところまで教えてくれたわ。いままではそういったものに不慣れだったのに、トムとこの作品を経験したことで、いまはそういったものが分かるようになったわ。(演技が)やり易くなったの。あとは仕事の仕方、そして現場での振る舞い方などを含め、本当にたくさんのことを彼から教わったわ」。

そんなトム演じるニックは、ソフィア演じる王女アマネットによって“選ばれ”、墜落した飛行機からも無傷で生き残り、彼女に立ち向かっていくことになる。ニック、そして王女アマネットの運命は、どんな結末を迎えることになるのか…。

ずばり、今後の「ダーク・ユニバース」でもアマネットに会える可能性は!? 「できれば、そうあってほしい。このキャラクターが本当に大好きだし、アマネットのバックストーリーをとても気に入っているから、ぜひ演じたいとは思っているわ」とソフィア。

「ダーク・ユニバース」の幕はまだ上がったばかり、「これからどんな展開が待ち受けているのか、どんな作品が届けられるのか、とにかくワクワクしているわ」という彼女自身も、今後はシャーリーズ・セロンと共演する『アトミック・ブロンド』をはじめ、話題作がひっきりなし。また新しいキャラクターで、私たちファンをワクワクさせてくれるに違いない。

ソフィア・ブテラ/『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』(C)Universal Pictures
《text:cinemacafe.net》

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