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新人監督のデビュー作が、連日満席の大ヒット!『カメラを止めるな!』が“感染拡大”する理由

口コミで大ヒットを記録している、上田慎一郎監督による映画『カメラを止めるな!』。ネタバレなしのレビュー、鑑賞者の満足度から本作のヒットの理由を探ります。

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『カメラを止めるな!』 (C)ENBUゼミナール
『カメラを止めるな!』 (C)ENBUゼミナール
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  • 『カメラを止めるな!』(C)ENBUゼミナール
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  • 『カメラを止めるな!』(C)ENBUゼミナール
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著名な俳優は出演しておらず、ベストセラーの原作漫画があるわけでもない。恐竜やスーパーヒーローも不在で、遥か彼方の銀河系が舞台でもない。しかも、新人監督の劇場長編デビュー作。

そんな1本の映画が、連日“行列・満席・立ち見”状態となっている。映画を観た「HKT48」の指原莉乃が、SNS上で「会う人全員にすすめてる」と紹介し、「本当に元気でるから観に行って欲しい~!内容とか調べずに。本当に面白いから~~!!!」と投稿したことから、さらに注目度が上昇中。その話題の映画『カメラを止めるな!』は、なぜそれほどまでに人を熱狂させるのだろうか。

『カメラを止めるな!』ってゾンビ映画なの!?


舞台は、山奥の廃工場。ゾンビ映画『ONE CUT OF THE DEAD』の撮影中に、なんと本物のゾンビが襲来。監督は“本物キタ~!”とばかりに大喜びで撮影を続けるが、助監督や録音技師などスタッフたちが次々とゾンビ化していく…。

それはワンシーン、ワンカット、37分におよぶ長回しという、かつてない試みのゾンビサバイバル。いかにも低予算であるためか、奇妙な“間”に意味不明なセリフ、グダグダの展開。違和感だけが観る者を包みこんでいくが、まさかの展開が待ち受けていた――。

『カメラを止めるな!』(C)ENBUゼミナール
本作は、映画専門学校「ENBUゼミナール」のワークショップ「シネマプロジェクト」の第7弾として製作された作品。監督は、オムニバス映画『4/猫 ねこぶんのよん』の1編『猫まんま』(出演:三浦誠己、木南晴夏)などに参加してきた上田慎一郎。これまで短編作品で評価を集めてきた上田監督の待望の劇場長編1作目で、全編96分、オーディションで選ばれた無名の俳優たちと共に創られた渾身作にして野心作だ。

2017年11月に、同じく「シネマプロジェクト」第7弾作品の『きみはなにも悪くないよ』とともに6日間限定で先行公開されると、たちまち口コミが広がり、レイトショーにもかかわらず、連日午前中にチケットがソールドアウト。最終日にはオープンから5分で完売御礼となる異常事態が発生。また、例年、新世代クリエイターを世に送り出す「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018」では観客賞にあたる「ゆうばりファンタランド大賞」を受賞した。

この4月に出品されたイタリア「ウディネ・ファーイースト映画祭」では5分間のスタンディング・オベーションという大歓迎を受け、シルバーマルベリー(観客賞2位)を受賞。6月にはブラジルの映画祭「Fantaspoa」で最優秀作品賞、先週末には韓国「プチョン国際ファンタスティック映画祭」にてヨーロッパ審査員特別賞(EFFFF Asian Award)を受賞したばかりと、内外で大絶賛を受けている。


あの『バーフバリ 王の凱旋』超えの満足度


前半のゾンビサバイバルから一転、後半は映画業界の“裏側”がコメディタッチで描かれていく本作。その斬新な構成と、伏線を巧みに回収する緻密な脚本、そして数か月に渡るリハーサルを経て当て書きされたキャストたちの魂がこもった熱演により、まさかの大爆笑を誘い、エンドロール後にはなぜか拍手が自然発生する。

『カメラを止めるな!』
6月23日(土)より満を持して劇場公開がスタートすると、都内2館では満席が続出し、見たくても見られない観客で劇場が溢れかえることに。新宿K'sシネマでは公開以来、全72回連続満席という前代未聞の記録を樹立。7月22日現在、全国8館での上映にも関わらず、公開後1か月足らずで動員数2万4928人、興行収入3858万5390円を記録し、インディーズ映画としては驚異的な成績を更新中。週末観客動員数ミニシアターランキング(7月21日~22日)では堂々の1位に躍り出た。


国内最大規模の映画レビューサイト「coco」によれば、旧作注目度ランキング(初公開後4か月以上経った映画が対象)において、応援上映が社会現象化した『バーフバリ 王の凱旋』や、世界に誇る巨匠・黒澤明監督の『椿三十郎』、アカデミー賞受賞作『シェイプ・オブ・ウォーター』などを超える満足度100%を獲得(7月24日現在)。

「coco」ユーザーからは、「ポンコツなゾンビ映画と思いきや、途中からそのポンコツの意味が分かって二度美味しい映画」「低予算パニック映画を観る時に取る間合いをまんまと利用された感じ。これはやられた!」「伏線一杯なのに笑うしかないという絶妙さは初体験だった」とその構造を絶賛する声や、「物語の構造がわかってくるとなるほどと納得し、後半の怒涛の展開にはもう笑うしかなかったw」「今年一番笑った映画かも! しかも最後のハードルでは素直に“感動”までさせられちゃったよ!」「後半は終始ゲラゲラと笑っていた!そしてラストは笑いながら泣いた!」と、“笑った”に加えて“泣いた”という声が続出。

『カメラを止めるな!』
「映画ファンの間で普通じゃない盛り上がり方をしてる理由が分かったよ!」「映画が観客まで巻き込んで劇場全体が1つになる感覚ってそう味わえるもんじゃない」「見終わった時の爽快感と多幸感が半端なくて、監督と出演者に拍手を送りたくなった映画は初めて」と、鑑賞後の爽快感や、自然と拍手が巻き起こる場内の一体感が“半端ない”といった感想も。

また、“ネタバレ厳禁”であまり多くを語れないタイプの映画であるため、「最高だから!! 事前情報仕入れず見て!」「トリッキーな作りなので、興味のある人は事前情報を何も入れずに観て欲しい」「何を言ってもネタバレになる系の作品なので何も言えませんが『面白さ』で今年トップクラス」といった声も相次いでいる。


斎藤工も称賛!“感染拡大”の要因は…


まったく趣の異なる二部構成の本作を貫くのは、愛だ。映画愛に俳優愛、ゾンビ愛、家族愛、恋愛、友愛、全てがスクリーンに息づいている。そして、それは映画を観た者にも確実に“感染”していき、心に元気をもらって爽やかな気持ちで劇場を後にしたならば、この感動を誰かに伝えたくてたまらなくなる。

その意味では、全くの対極にある、潤沢な予算と最先端CGで創り上げたスピルバーグ監督の愛あふれる超大作『レディ・プレイヤー1』とも相通じるものがあり、冴えない高校映画部の『桐島、部活やめるってよ』や『スター・ウォーズ』シリーズでお馴染みのマーク・ハミルが重要人物を演じる『ブリグズビー・ベア』ほか、現在ドラマが放送中の『チア☆ダン』や若き漫画家たちを描いた『バクマン。』なども彷彿とさせる、“好き”という気持ちの膨大な熱量を感じさせる。

自身も映画監督=“作り手”側である俳優の斎藤工は、ブログ「斎藤工務店」で「ちょっと待ってくれ 面白過ぎる やい 映画関係者達よ 邦画の現状・実状をやいのやいのと嘆く前にこの映画を観るべし 『カメラを止めるな!』の"角度"はそれら全ての答え(打開策)では無いだろうか」とコメントを寄せるほどだ。

『カメラを止めるな!』
そんな本作の魅力に“感染”した観客の列はいまも絶えず、連日チケットは即完売状態。いま最も観たい映画でありながら、最も観ることが難しい映画の1つとなっている。この事態を受けて、ついにTOHOシネマズ 日比谷、TOHOシネマズ 新宿ほか全国40館以上にて拡大上映されることが決まった。

さらに、8月3日(金)夜には上映劇場拡大を記念した舞台挨拶の実施が決定。TOHOシネマズ 日比谷という都内屈指のメジャー劇場に、上田監督やキャスト陣が登壇する。

“感染拡大”を受け、監督・プロデューサーからコメント到着


上田慎一郎監督


去年の夏、汗と血にまみれながらみんなでつくった小さな映画『カメラを止めるな!』は今日まで僕たちの想像を超える奇跡を次々に起こしてくれました。「想像もしていませんでした」と何度言ってきたことでしょう。一生分の「想像もしていませんでした」を使い果たした…と思っていた矢先に今回のお話。間違いなく僕の34年の人生史上最大の「想像もしていませんでした」となりました。

お客さんから「この映画の客席は色んな色に溢れている」という言葉を頂いたことがあります。映画ファンもそうでない方も、カップルも家族もおひとり様も、会社員のおっちゃんも女子高生も、小学生もお年寄りも。職業、年齢性別も違う様々な人たちが、同じ場所でひとつになって、驚き、笑い、涙してくれています。控えめに言って奇跡です。映画館での体験こみの映画です。ぜひ映画館に映画を体験しにきてください!

市橋浩治プロデューサー(ENBUゼミナール/日本ドローンアカデミー)


上田監督とキャストのみんなと「チラシやポスター設置をめっちゃ頑張って、2館で5,000人を達成するぞ~!」と気合を入れていたのは遠い昔。
TOHOシネマズ日比谷、新宿、六本木、日本橋にインディペンデント映画がかかるなんて、その時想像もしていないことが起きた!

これは決して作品や自分たちの力だけではなく、コメントをはじめとした多くの方の応援や協力、観ていただいたお客様による感染のおかげです!

『カメラを止めるな!』のステージは大きくギアチェンジされた!
この夏、最高のエンターテインメントが全国感染しますよ!

『カメラを止めるな!』は新宿K's cinema、池袋シネマ・ロサほかにて公開中、8月3日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷、TOHOシネマズ 新宿ほか全国にて拡大公開。
《上原礼子》

「好き」が増え続けるライター 上原礼子

出版社、編集プロダクションにて情報誌・女性誌ほか、看護専門誌の映画欄を長年担当。海外ドラマ・韓国ドラマ・K-POPなどにもハマり、ご縁あって「好き」を書くことに。ポン・ジュノ監督の言葉どおり「字幕の1インチ」を超えていくことが楽しい。保護猫の執事。LGBTQ+ Ally。レイア姫は永遠の心のヒーロー。

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