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【特集】チャウヌの新境地…“痛み”を癒す物語となるか、今春大注目の韓国ドラマ「ワンダフルワールド」

キム・ナムジュとチャウヌが共演する今春大注目の話題作「ワンダフルワールド」が配信開始。これまでのイメージを打ち壊すような役柄を演じる、チャウヌの挑戦にも注目した。

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「ワンダフルワールド」© SAMHWA NETWORS. All Rights Reserved.
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6年ぶりのドラマ復帰となるキム・ナムジュと、俳優としても活躍目覚ましいトップアイドルチャウヌが共演する今春大注目の話題作「ワンダフルワールド」が、ついにディズニープラス スターにて配信開始。

今作は過去に秘密を抱えた男女が織りなす、禁断のヒューマン・サスペンス。すでに配信された第1話・第2話は壮絶な幕開けとなったが、メガホンをとったイ・スンヨン監督(「トレーサー」「ボイス2~112の奇跡~」)によれば、今作は「悲劇というより美しい物語」なのだという。

主人公の2人が簡単には癒されない傷と痛みを抱えながら生きる世界は、美しい、“素晴らしい世界”となり得るのか。2人はいったい、どんな終着に辿りつくのか。また、これまでのイメージを打ち壊すような役柄を演じる、チャウヌの挑戦にも注目した。


完璧な日々が脆くも崩れ去る…喪失からの再生の物語


今作は、愛する息子を殺され人生が一変した心理学の教授で有名作家のウン・スヒョンと、憎しみに囚われた孤独な青年クォン・ソンニュルが出会い、同じ傷を抱える2人の距離が近づくほどに狂い始める運命を描いたヒューマン・サスペンス。

物語の始まりは、2015年の夏。スヒョンは世界有数の文学賞を韓国人として初受賞し、セレブ並の人気を得ている有名作家で、大手放送局の記者からニュースキャスターに転身した夫のスホ(キム・ガンウ)、宝物のようなひとり息子のゴヌと“完璧な日々”を送っていた。

ところがある日、夫妻が目を離した隙にゴヌはひき逃げ事故に巻き込まれ、わずか5歳でその命を終えてしまう。あと少し病院への搬送が早かったら、息子は生きていたかもしれない…。裁判ではその事実を知ることになるも、逆に母親としての過失を責められることになるスヒョン。

その結果、事故を起こした建設会社社長のクォン・ジウンは執行猶予となり釈放。「死ぬまで反省し続けます」という彼の謝罪はスヒョンやスホ、そしてゴヌに対するものではなく、メディアを通じて世間に向けられた形ばかりのものにすぎなかった。

激しい怒りと悲しみにかき立てられたスヒョンは、そんな相手に自ら復讐を果たす。絶望の淵に立たされた彼女は情状酌量を望むこともなく、あらゆる感情をなくしてしまったかのように見えたが、やがて刑務所内で出会った仲間との関わりで徐々に自分自身を取り戻していく。彼女に手を差し伸べるヒョンジャ(カン・エシム)も忘れられない痛みを背負っており、スヒョンにその償いを託すことになるのだ。

スヒョンを演じるのは、「棚ぼたのあなた」「逆転の女王」などのヒット作で知られ、「ミスティ~愛の真実~」(2018)以来のドラマ出演となったキム・ナムジュ

前作を終えてからの6年間はプライベートで子どもとの生活を優先させていたというキム・ナムジュが、俳優復帰を考えていたところに「スヒョンという、強い母性を持ちジェットコースターのような人生を生きる役」に求められての主演となった。熟練の女優にこうして戻ってこられる作品がちゃんと存在する、というのは素晴らしいことこの上ない。

そんなスヒョンが出会う謎の青年クォン・ソンニュルを演じているのが、その端正な顔立ちから日本でも絶大な人気を誇るチャウヌだ。2月にはアーティストとして初のソロアルバムも発表したチャウヌは、いま最も次回作が期待される若手俳優の1人でもある。

ウェブコミックを原作にした大ヒット作「私のIDはカンナム美人」や「女神降臨」で俳優としてブレイクし、韓服も麗しい時代劇「新米史官ク・ヘリョン」、除霊アクションファンタジー「アイランド」、サウンドパニック映画『デシベル』などの作品でチャレンジを続けてきた。記憶に新しい昨年の「ワンダフルデイズ」ではパク・ギュヨンを相手役に迎え、感情を大胆に表現したり、等身大のラブシーンを演じたりと、ひと皮向けたような印象も感じさせていた。

そのチャウヌがヒューマン・サスペンスというかつてないジャンルに挑むとあって、大きな注目を集めていた今作。

演じるソンニュルは、裕福な家庭で育つも、ある事件をきっかけに暗く険しい道を歩むことになる青年だ。感情を押し殺したまま、廃車工場で油まみれにながら黙々と働き、ジャージャー麺をがっつく姿は、確かにこれまで目にしたことのないワイルドなチャウヌ。かと思えば、刑務所の訪問ボランティアで子ども聖歌隊の指揮をする姿もあり、さらには、次期大統領の最有力候補とされる政治家キム・ジュン(パク・ヒョックォン)の下で情報屋めいたこともしている。

そして、キム・ジュンの汚職を暴こうとしたことから大手放送局を辞めることになるも、再び表舞台に復帰するスヒョンの夫、カン・スホ役には、ドラマ「契約主夫殿オ・ジャクトゥ」や映画『貴公子』『君だけが知らない』などで幅広い演技力を見せるキム・ガンウ

スヒョンを実の姉のように慕うハン・ユリ役には「女神降臨」から「最悪の悪」まで、こちらもジャンルをまたいで活躍を見せるイム・セミ

スヒョンが刑務所で出会う“同じ痛みを持つ”ヒョンジャには「ボイス2~112の奇跡~」や「キミと僕の警察学校」ほか、「イカゲーム」シーズン2への出演も発表されているベテラン、カン・エシム

ドラマ・映画を問わず素朴な善人から悪人までに演じ分けるパク・ヒョックォンが、ソンニュルを使ってライバル議員を蹴落とそうとする次期大統領候補の政治家キム・ジュンを演じる。おそらく、ゴヌのひき逃げ事故にも関わっている“黒幕”として登場人物たちを結びつけるキャラクターとなりそうだ。

脚本は、韓流愛憎劇の最高傑作とも呼ばれる「清潭洞〈チョンダムドン〉スキャンダル」(14-15)やサスペンス・メロドラマ「嘘の嘘」(20)のキム・ジウンで、こうした復讐を媒介にした人間ドラマはお手のもの。制作陣は第1話から多くの時間を割いて、スヒョンの完璧な1日がいかにして破壊され、最高の幸せからどん底へと突き落とされていくのか、その壮絶な悲痛の過程を徹底的に描いている。

疲弊し、絶望した大人たちが再び立ち上がったり、あるいは復讐を果たしたりするヒーリング系ドラマやサイダー系(スカッとする)ドラマは最近数多いが、これほどの母親の痛みに向き合うことになる序盤の展開は久々の感覚。キム・ナムジュの熱のこもった演技もあって、往年の韓流ドラマらしさを感じさせる。


Disney+「ワンダフルワールド」視聴ページ


悲嘆を抱えて生きる青年を演じるチャウヌ


第1話の冒頭では、スヒョンに「苦しまないで」「自分を大事に」と言われながら2人で過ごした日々を回顧するソンニュルが、運転席で覚悟を決めたように目の前の彼女に向かってアクセルを踏み込むシーンから幕を開ける。どんな葛藤を経て、その決断に至ることになるのか、2人の関係性や今後の展開の行方に期待が高まるところだ。

何より“漫画から飛び出してきたよう”と例えられる眉目秀麗なルックスについてよく言及されるチャウヌだが、ソンニュルの無頼な生き方を彼が演じるからこそ言い知れない違和感が伴っている。本来ならばまったく別の道を歩んでいたはずなのに、抗えない“何か”によってどこか無理をしているような、必死に強がってみせているような憂いや儚さが際立つのだ。

本予告編でも、ソンニュルは腕にケガをして血だらけになり、顔中に殴られたような傷があるにも関わらず、“こんなもの痛くありません”と笑顔をつくってみせ、スヒョンとも共鳴する切ない過去が匂わされている。

また、刑務所で大ケガを負ったスヒョンを見かけた際には彼女のことを知っていたような表情の変化もあり、「ミステリアスな人物で、回を重ねる中で、パンドラの箱が開かれていくようにいろいろな秘密が明らかになっていきます」とチャウヌが紹介したように、第2話の時点ではまだまだつかみどころのない青年である。

ただ、繊細な温かみを持つ人物であることは第2話のラスト、墓地でのひと言からも伺い知ることができる。降り出した雨の中、ゴヌの小さな墓石の前でスヒョンに傘を差し出す、日本語版ポスタービジュアルにも起用されている印象的なシーンだ。

監督が制作発表で語った、「喪失の時代に生きる人々が人間らしさを守るために奮闘する物語」を裏付けるような、かすかながらも確かな癒しをもたらす、揺るぎない愛を知る者の言葉だった。

今作に臨むチャウヌ自身もまた、身近で大切な存在との突然の別れを経験した後の作品でもあるだけに、彼にとっても(そして彼らのファンにとっても)心の奥深くでいまも疼いている喪失の痛みを癒すような物語となることを願っている。


Disney+「ワンダフルワールド」視聴ページ

「ワンダフルワールド」は毎週金・土曜日2話ずつディズニープラス スターにて配信中(全14話)。


〈提供:ウォルト・ディズニー・ジャパン〉

《上原礼子》

「好き」が増え続けるライター 上原礼子

出版社、編集プロダクションにて情報誌・女性誌ほか、看護専門誌の映画欄を長年担当。海外ドラマ・韓国ドラマ・K-POPなどにもハマり、ご縁あって「好き」を書くことに。ポン・ジュノ監督の言葉どおり「字幕の1インチ」を超えていくことが楽しい。保護猫の執事。LGBTQ+ Ally。レイア姫は永遠の心のヒーロー。

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