「舞坂町はとなり町・森見町と戦争を始めます。開戦日5月7日」ある日届いた、となり町との戦争のお知らせ。偵察業務に就かされた“僕”(江口洋介)は、その業務遂行のために、対森見町戦争推進室の“香西さん”(原田知世)と夫婦生活を始める。戦時にもかかわらず、町は平穏を崩さない。かろうじて戦争状態と分かるのは、日々のニュースで発表される戦死者の数だけ。淡々とした日常生活のなかに侵食した戦争。“僕”は、知らず知らずのうちに、その戦争の中心にいたのだ…。第17回小説すばる新人賞選考会で物議を醸し、多くの作家や批評家から絶賛された三崎亜記の衝撃の原作を映画化。一見シュールなシチュエーションだが、そのテーマが示すものは、戦争、地方自治行政、そして男女の感情の一線…その一線を越える物語。
渡辺謙作