桜の季節。容子(広末涼子)は、小学校入学を前にした娘・加奈子を不慮の事故で亡くしてしまう。自分を責め、思いつめた容子は娘の部屋で自殺を図るが、あわやのところで一命をとりとめる。そしてその日から不思議なことを言い始める。「加奈子はここにいる。」夫の信樹(稲垣吾郎)は、現実を受け入れ、前を向こうとしない容子に苛立ちを募らせる。「加奈子は、もういないんだ。」そう言い聞かせるが、容子は変わらなかった。ある日、容子は正美(福田麻由子)という女子高生に出会う。まだ高校生ながら、シングルマザーとして子供を産む決意をしていた正美。そんな正美をみて容子の一途な思いが起こした行動は、やがて思いがけない出会いへと導かれていくのだった――。
栗村実