コラム2009-10-16 21:32

ファッション小噺vol.115 帽子でフェロモン? 『幸せはシャンソニア劇場から』

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『幸せはシャンソニア劇場から』 - (C) Cos Aelenei

最近、帽子が気になります。かぶるためではなく、他人がかぶっている帽子が。特に男子。ベースボールキャップをかぶっている人は珍しくないけれど、食事をするときでもかぶったままの人がいます。若いお父さんにも多いのだけれど、あれっていかがなものなのでしょう? 一度かぶってしまうと、髪型が崩れてしまって、もう人前では脱げないということもあるのでしょうが、やはり違和感が。食事のときぐらい、脱げばいいのにと言いたくなります。日本人にとって、帽子に関するマナーはどうなっているのでしょう。

『幸せはシャンソニア劇場から』 - (C) Cos Aelenei

そこで思い出したのが、映画『幸せはシャンソニア劇場から』。1936年のフランスを舞台にしたこの作品には、帽子をかぶった男子、女子が登場します。帽子がいまよりもっと親しまれていた時代の話です。こんなかぶり方も、あんなかぶり方も素敵だなといろいろ参考に。

ただ、もし真似をするなら、やはりマナーは知っておきたいもの。女性なら、ちょこんと頭に乗せる小さいタイプは、フォーマルなアイテムとして認識されているので、食事の席でもそのままでOK。よく、皇室、王室の方々がかぶってらっしゃるあのタイプなら、ということですね。でも、男性の帽子は全てきちんとした席では脱がなければなりません。映画の中でも、男子は挨拶の際に必ず脱いで頭を傾けています。

どうしてそうしなければならないのかは、どうやら軍隊のならわしに由来しているようです。屋内では帽子は脱ぐのが基本。さらに、“脱ぐべき”状況は、教会に入ったとき、儀式のとき、国歌斉唱のとき、そして食事のときとされています。

『幸せはシャンソニア劇場から』 -(C) Cos Aelenei

そもそも日本には帽子の文化がなかったわけですから、それがエチケットだと言われても、ピンとこないかもしれません。でも、それが決まりごとだから守らなければならないのではなく、問題は周囲に与える“違和感”。食事時に、屋外でもないのに帽子をかぶって、サングラスをしていたら、何だか不思議。そもそも帽子も、サングラスも必要に応じて身につけていたアイテムですから、それがファッション性を帯びた時点で、エチケットも事実上消滅するのかもしれません。昔の常識も、いまは無意味ということは多いのも事実。でも、違和感はおしゃれの最大の敵。あのEXILEだって、天皇陛下のご即位20年をお祝いする奉祝曲の前にはサングラスを脱いだわけですし。やはり、時と場合というものを考えるのは大事なことなのです。

それに、帽子を脱ぐ仕草はとっても色っぽいと思いませんか? さっと脱いで挨拶をする、脱いだ後にちょっと髪を掻き揚げる…うーん、なかなかです。男性の帽子愛好家のみなさん、明日からこの技でちょいとフェロモンを振りまいてみてはいかがですか?

(text:June Makiguchi

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