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『マルタのやさしい刺繍』シュテファニー・グラーザー「刺繍はダメでも運転は得意!」

スイスの山あいの小さな村で、80歳を超えたおばあちゃんたちが起こした革命! 夫と死別したマルタは若い頃の夢だった、自らデザインした下着を売るブティックを開店する。保守的な村にあって、80歳にして下着屋を始めたマルタを人々は冷笑するが、彼女は決して夢をあきらめない。そんな彼女の姿に徐々に周囲の人々も感化され始め…。人口750万人のスイスで38万人以上の人々が劇場に足を運び、翌年のアカデミー賞外国語映画賞の同国代表作品となった『マルタのやさしい刺繍』。本作で主人公のマルタを演じたシュテファニー・グラーザーに話を聞いた。

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『マルタのやさしい刺繍』 シュテファニー・グラーザー
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スイスの山あいの小さな村で、80歳を超えたおばあちゃんたちが起こした革命! 夫と死別したマルタは若い頃の夢だった、自らデザインした下着を売るブティックを開店する。保守的な村にあって、80歳にして下着屋を始めたマルタを人々は冷笑するが、彼女は決して夢をあきらめない。そんな彼女の姿に徐々に周囲の人々も感化され始め…。人口750万人のスイスで38万人以上の人々が劇場に足を運び、翌年のアカデミー賞外国語映画賞の同国代表作品となった『マルタのやさしい刺繍』。本作で主人公のマルタを演じたシュテファニー・グラーザーに話を聞いた。

「この時期に女優として最高の瞬間を迎えられることを幸せに思う」

インタビュー前日までプロモーションのために大阪を訪れていたというシュテファニー。さぞお疲れかと思いきや、全くそんな素振りを見せず、こぼれるような笑顔を浮かべてインタビュールームに姿を現した。聞けば大阪でも、夜中までダンスに興じていたのだとか。
「いつものことよ(笑)。日本に来て急に眠くなることがあるけど、これは疲れじゃなく、きっと時差ボケのせいね」。そう笑う彼女は、どう見ても80歳を過ぎているように見えない。

芸歴はおよそ70年に及ぶが、意外にも映画主演は今回が初めて。
「まず脚本を読んで、物語も配役も素晴らしいと思ってすぐに出演を決めたわ。一人の女優として、私はいまキャリアの終盤にいることは間違いないけれど、この時期にこの作品で、女優として最高の瞬間を迎えることが出来たのは本当に幸せなことね」。

50歳以上も年の離れた監督のベティナ・オベルリについて「私にとっては孫娘のよう」と語るシュテファニーだが、現場では監督とのコミュニケーションによって役を作り上げていったという。
「彼女は自分の祖母からマルタをイメージしたということだったので、実際に彼女の祖母に会いに行って話をしたわ。それから、私の周りにもマルタと重なるような人物が2人ほどいたの。だからベティナにその話をして、複数の人間を混ぜ合わせてマルタが出来上がったのよ。もちろん、現場ではベティナとの年齢差なんて全く気にすることなくスムーズに仕事が出来たわ」。

「一人で生きていくことは決して孤独ではない」

現場では朝の5時半に起きて、夜の9時まで撮影が行われた。曰く「撮影中は役に入り込んでしまい、四六時中“マルタ”だった」とか。彼女のエネルギーの源は一体どこにあるのだろうか?
「自分でもよく分からないけれど、強いて言うならいつも生きることを『楽しい、嬉しい』と思ってることかしら? 頭にくるようなことがあってもすぐに忘れるようにしてるのよ」。

そして、マルタと自らを重ね合わせるようにこう語る。
「私自身、マルタと同じように家族や愛する人との別れを経験してきたわ。でもそれ以前の段階で自活し、一人でいることに自分を慣らしてきたから、大切な人を失った後でもすぐにその状況になじむことが出来たの。間違えてはいけないのは、一人で生きていくということが孤独を意味するというわけではないこと。裁縫はどうかって? 全くダメね。不器用だからケーキも真っ直ぐ切れないのよ(笑)。でも車の運転は得意よ。それから携帯電話は…アナログな人間だから一つの番号だけ覚えていて、それがダイヤルできれば十分だわ(笑)」。

滞在中にわざわざ渋谷まで出向いて、スクランブル交差点を歩いたというシュテファニー。「信号が変わったら一斉にみんなが歩き出したの! 私も一緒に歩いたわ(笑)」と興奮気味に話す彼女を見て、その元気の秘密が分かったような気がした。ぜひ新しい作品を携えてまた日本を訪れてほしい。
《シネマカフェ編集部》

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